93 Once upon a time...
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へぇ、やっぱりねぇ
[人の死を悼む。 それがあまりにも自然に行われていて 羽ばたいてきたかのような、派手な色した鳥二羽の「いつもの」光景より、ずっと普通に見えた]
やぁ、フィリップ 準備万端だね
サイモンはさ……常識人だなぁ、ってかみ締めていた、とこ
(157) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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きれいな…おおかみかぁ
…しいな
…
…に…えて…に…しいよ
…
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あれ、サイモンそれで出るの?
[ナイフ投げはれっきとした花形だ――と奏者は考える。 衣装係に捕まっていれば、それではすまされないだろう、ともう一度彼の全身を眺め 思いもよらぬ問いに、はた、とフィリップの顔を見て首を傾げ]
………うーんと、少しは
[と、曖昧に頷いた]
君は、どうなの
(163) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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サーカスが歩いてる、かぁ
[革袋を撫で、黒く縁取られたまぶたを幾度か上下させた]
そうだね、 そうかもしれない でも、団長がいないからって ……サーカスは、なくならないから
だから、大丈夫じゃないかな
[悲劇が起こる前、噂が囁かれている時点で口にした言葉をもう一度紡ぐ。大丈夫。何が、かはよくわからずとも。手のひらに伝わる、楽器の固い感触のおかげか、いつもの自分は揺るがずにすむ]
(173) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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それに フィリップが常識ないの、知ってるもの
だから だから、高く飛べるんじゃないかな
[奏者はけして空を飛ばない。 身体は地から離れることはないが、 心は、想いはどこまでもとんでゆける。
それでも少しだけ、ほんの少しだけ、 自由な彼らがうらやましくなることもある]
(175) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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んー…… ふふ、俺はねぇ わりと、皆のこと、好きなんです
それだけです
[ありがと、なんて言葉貰うことは何もない、と首をふり ぽり、と頬をかけば手のひらに薄く白粉がついた。 そのまま頬にぺたぺたとして、ごまかしておく]
うーん まあ確かにあれは 普通の人にはなかなか ……って感じだったかなぁ
(184) 2014/10/11(Sat) 00時半頃
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犯人、といえば ……さ メルヘンの中にいる、って 噂、聞いた?
[テント前で囁かれていた言葉のひとつ。 団長以外のテントには異常がなかったというから 彼を狙ってのこと――であれば、それが団長の居室と知っての凶行ではないかと。したり顔した団員が言っていた。 賛同はあまり得られていなかったようだ。 内心はともかく、声にして認めたくはないのかもしれない。]
(185) 2014/10/11(Sat) 00時半頃
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わかった…
…
そう…きれいな…おおかみ…
…も…きれい…
…
…しい…
…しい…
…
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そう、そういう簡単な話 ……なのかなぁ?
[犯人を捕まえればいい。それはわかりやすい話。 人狼を見つければいい。 では、ここで疑問がひとつ]
でも、人狼ってなんだろう 上半身狼の化け物だとか、満月の夜だけ狼になれるとか 人の姿のまま目だけ赤く光るとか
[紡がれた御伽噺は、それこそ昨夜見えた星の数ほどもあるだろう]
どれが本当でもさ そんな風にわかりやすければ、ね
[今はまだ、きっと手探りの状況。 それでも、一番にやるべきことは、犯人探しではないのだ]
(196) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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じゃあ……そろそろ、こいつと準備してくる
[抱えなおした革袋。 まっすぐに歌うには、まだ準備が足りていない。 炊事場の方から漂ってくる食べ物の匂い。 少しずつ、少しずつ戻ってきた"日常"に背を向けて]
また、後でね
[煌びやかな大テントに向かってゆく。 ―――公演は、行われなければならないのだから**]
(198) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/11(Sat) 01時半頃
を…ったから…
…
どうして…
おおかみ…なんて…こわくない…のに…
いやだ…
さ…たちを…らないからだよ
…の…おおかみを…らないから
…
…いやだ…いやだねぇ
…
よくわからないもの…って…だ…
…
うん…おこられたり…するのも…だ…
…
許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/11(Sat) 22時頃
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― 大テント、ステージ裏 ―
[此処だけは、いつもと同じくらいの熱気がある。 慌しく走り回る大道具の人たち。 客席の掃除とチェックに余念がない人々。
ただひとつ、決定的に欠けているのは――― 団長の怒号、あるいは、笑い声。
よくも悪くも……賑やかで、存在感のある人だった。 一人いないだけで、見慣れたはずのステージが、やけに広く見えた]
(255) 2014/10/11(Sat) 22時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/11(Sat) 22時半頃
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[革袋からバンドネオンを取り出した。 奏者が身を包むより黒よりもずっと深い輝きは黒檀のよう。 幾重にも重なった蛇腹は、メルヘンに在籍するどんな危険な動物よりも貪欲に、奏者の想いを飲み込んでいく。 ステージ裏の隅、少しがたついた椅子に腰掛ける。 革袋は役目を失って椅子裏でくしゃくしゃになっている]
……さて、今日は どんな音かな
[そうして奏者と楽器は、同時に呼吸を始めるのだ。 ステージに向けての準備運動。 通じ合うための、いつもの儀式だ]
(263) 2014/10/11(Sat) 23時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/11(Sat) 23時頃
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[血塗られた朝は遠く、太陽はすでに中天を越え傾き始めた。 団長の遺体はまだあそこにあるのだろうか。 ふと思考が傾けば、指が着地点を見失い、音は不器用なスキップをして、立ち止まった]
お客さん、迎えてくる
[少しずつ、入り口のあたりが騒がしくなる。 いつものざわめき。 少しの不安と大きな期待、そして沢山の好奇心を湛えた瞳が、チケットを、あるいはそれを買うためのお金を握り締めて集う。 開演を待つ彼らを退屈させないのも、楽隊としての役目である]
(271) 2014/10/11(Sat) 23時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/11(Sat) 23時半頃
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― ステージの隅 ―
[情熱的な踊りに華を添えることが多いこの楽器を、 今は語り部の喉として使わせてもらおう。
ステージの隅。観客が入り始める、少し前。 バンドネオンを手に、闇の中、未だ空っぽの客席に一礼した奏者は呼吸を整える。指を一度大きく揺らめかせ、そして"御伽噺"を歌い始める。 練習とは違う、はっきりとした音。 ひそやかに始まったそれは、未だ準備中の団員たちの耳にも届くだろうか。
やがて少しずつ入場してきた観客の心にある期待や不安を増幅させるように 「想い」を込めて、奏者と楽器は声を揃える]
(289) 2014/10/12(Sun) 00時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/12(Sun) 00時頃
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