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108 Persona外典−影の海・月の影−
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[>>205明の白く華奢な手を握り返し、体温を伝える。 零れかけた涙を止めるのは、あかりの役目ではない]
大塚君も、楠さんのお父様も心配だしね。急ごう。 ――行くよ、土蜘蛛!!
[ペルソナに露払いを命じ、白い少女と二人で異界を駆け出した]
(210) 2015/02/15(Sun) 00時頃
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[スクナビコナの鱗粉で動きを止めたシャドウを、土蜘蛛の爪が切り裂いていく>>213 この調子なら埠頭に辿り着くまで、それほど時間は掛からないだろう] ……疲れてない? 大丈夫? それにしてもさ、楠さんのペルソナ良いね。 すごく、やりやすいよ。 [何より可憐なのが羨ましい。 同じ”アカリ”でも、どうしてこんなに違うのだろう。 ペルソナが心の裡にいるもう一人の自分であるならば、この淫らがましい姿の上臈蜘蛛があかりだというのか。
そんな埒もない思いを否定するように、ふるり首を振った]
(231) 2015/02/15(Sun) 00時半頃
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……でもさ、それは楠さんにしか出来ないことじゃ、ないのかな。
さっき、大塚くんの手当てしてたでしょ? あれは私の土蜘蛛には、無理なことだよ。
[>>241体力に乏しい明を庇うように、土蜘蛛を動かす。 含みのある視線に気付くことはできないが『こんなことしか』と卑下の色を孕んだ彼女の言葉を受け止めて、本心の言葉を向ける]
(244) 2015/02/15(Sun) 01時頃
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私は私、楠さんは楠さん。 同じ"アカリ"でも、違うから良いんだと思う。
[つい先刻、抱いた思い>>231を否定するように言葉を連ねるが。
自分のイドに嫌悪感を抱いたせいだろうか。 土蜘蛛との繋がりが一瞬途切れ、その隙を突き、新たに出現したシャドウに気付くのが遅れる]
しまっ――
[次の瞬間、あかりの身体は頭上から降り注ぐ、波のような姿のシャドウに飲み込まれた]
(247) 2015/02/15(Sun) 01時頃
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[シャドウの内側の果て知れぬ昏き水底に、あかりは引きずり込まれていく。鼻や口から入り込む黒い水に噎せ返り、ごぼり、肺の中の酸素を吐き出してしまう。 窒息しそうになって、もがくほど、シャドウはがっちりと少女の体を押さえ込む]
――……、う。
[こんなところで終わってしまうのか。 悔しさに涙が滲むが、それも束の間。やがて意識を手放しそうになったとき、黒い海が震えた。
恐怖、後悔、絶望。 負の感情に揺らされて、水の拘束が緩む]
たす、けて、
[最期の力で顕現した腕だけの土蜘蛛が、しゅるり解ける。そして救いを求めて、嘆きと怒りの声>>258の聞こえる方へと伸びていった]
(264) 2015/02/15(Sun) 01時半頃
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[スクナビコナの鱗粉に攻撃されて震えるシャドウの海を 土蜘蛛の糸が水面を切り裂いて、明があかりを助けるための、最初で最後の機会を作るだろう]
(269) 2015/02/15(Sun) 01時半頃
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「うあああああああああああっ!」
[薄靄の掛かる意識の向こうで、咆哮が聞こえた>>279 強い力に腕が引かれ、シャドウの海から引き上げられる。 明に抱きとめられ、共に倒れたまま起き上がることも出来ぬまま、黒い水を咳と共に吐き出す]
はぁ、はぁ、……はぁ。
[新鮮な空気を求めて、幾度も呼吸をするうちに、ぼろぼろと零れた涙が明の上に落ちた]
(290) 2015/02/15(Sun) 02時頃
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めてしまえば…
…と…に…ちてしまえば…
どれだけ…だったのだろう…
だけど…ってしまった…
…を…けたいと…
きっと…はそんな…を…さない…
だとしても…にはその…しかなかった…
…けた…は…けられぬ…で…うのだ…
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ごめん。……ごめん、ね。
[死に直面した恐怖で体が強張り、倒れた明の胸に縋るような体勢のまま動けない]
いか、ないと。 行かなきゃ。……いけない、のに。
[涙と涎で汚れた顔を明に見せないように顔を伏せる]
(293) 2015/02/15(Sun) 02時頃
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助けてくれ、て、あり、がとう。 諦めないで、くれて、……ありがとう。 もし、楠さんがいなかったら、私、……死んでた。 [意識は朦朧としていたが、明の声は確かに聞こえていた>>280 それから呼吸を整え、ようやく半身を起こす]
(298) 2015/02/15(Sun) 02時半頃
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が…だ…
…
…もっと…もっと…にしないと…
…と…の…に…なものはいらない…
…
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……今度は、私が楠さんを助ける番。 [決意を込めて呟くと、震える膝に力を入れて立ち上がり、力を使い果たし倒れた明を抱き上げようとする。
自分の失態で費やした時間のせいで、明の父や麻夜の身に何かあったら、きっとあかりは自分が赦せないだろう]
まだ、スクナビコナを使えるなら、私にも幻を見せて。 恐怖を忘れて、……走れるように。 [赤い瞳を見つめて、請願する]
(306) 2015/02/15(Sun) 02時半頃
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ここは…だ…
…ぬるい…の…く…
…の…を…して…がった…を…く…じるだろうか…
ゆっくりと…を…した…
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……うん。 後でいっぱい褒めてあげる。
約束、するよ。 [>>305力を使い果たしても笑顔を絶やさない明に、あかりも柔らかい笑みで応えた。ささやかな、けれど大切な願いを叶える為には先ずは生き残らなければならない。
スクナビコナが舞い、あかりに希望と言う名の幻想を見せる。 例えそれが偽りであったとしても、人は希望があるから立ち上がることが出来るのだ。
華奢な体を負ぶうと、消耗しつくし戦いの役には立たない土蜘蛛を解いて、背から落ちないように結びつけ、埠頭へと脇目も振らずに走り抜けた]
→埠頭へ
(311) 2015/02/15(Sun) 03時半頃
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アカリは、シャドウの群れを遣り過ごし、異界を駆け抜ける**
2015/02/15(Sun) 03時半頃
そうか…な…が…いのか…
…も…もそうなのか…
…むという…あるいは…てを…にすることを…むという…
…は…しい…が…いな…この…に…や…はいらないよ…
その…が…しいんだ…どうもこちら…にはくだらない…が…すぎる…
んでいたのかいないのか…となっては…からないが…にどうでも…い…だ…
どちらにしてもこの…には…なものが…すぎる…
その…はやはり…も…だよ…
…の…いはそう…でもないが…しておいては…しくない…すことだ…の…い…のように…
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―埠頭・港区画―
[二人のアカリが港に着いときには、既に戦いは終わっていた。
一面に散らばるコンクリート片。 潮風に乗って流れてくる焼け焦げたような臭い。 遠目にも、埠頭の一角が大きく陥没しているのが分かる。
まるで戦場のような無残な光景を目の当たりにして、あかりは息を呑む。
ペルソナ能力者とは言え麻夜は怪我をしていたし、明の父親はシャドウに抗う術があるか分からないのだ。 そんな二人がこの場に居合わせて、果たして無事でいられるだろうか?]
(332) 2015/02/15(Sun) 15時半頃
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[もし――二人の身に何かあったら?
最悪の想像に胃の辺りが締め付けられ、冷や汗が滲む。 背中の明の重さが、まれで身を縛る鎖のように重く感じられた]
大塚くん!! 楠さん!! いますか?
……大塚くん、無事だよね? ――返事して!!
[麻夜と楠の父の名を呼び、狼狽したまま戦場跡へと駆け出した]
(333) 2015/02/15(Sun) 15時半頃
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―港区画―
[戦場の中心だったと思しき埠頭の陥没跡。 傍らには三つの人影があった。 そのうちの一人が探し人だと気付くと、息も絶え絶えにそちらに走り寄る]
……大塚、くん? よかったあ! 無事? 痛いところ、ない?
楠さんのお父様は!? ご無事なの?
[あかりは麻夜の鬼神の如き戦いぶりを知らない。 だから今にも泣き出しそうな顔で、無事を確かめるよう、彼の全身をぱしぱし叩きながら、矢継ぎ早に問い掛ける]
(334) 2015/02/15(Sun) 16時頃
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律っちゃん!? ……なんで、ここに?
[此方が気づくか律に声を掛けられるのが先か。 何れにせよ、幼馴染の姿を見つけて目を丸くする。 ――だが、もう一人。 崇神市でも指折りの有力者の息子がいることに気付くと、やや表情を改める]
もしかして、絹代さん……ですか? お久し、ぶりです。 [かつて律が慕っていた気儘な少年とは、あかりも面識があった。 年上だった彼と格別仲が良かったわけではないが、律からよく話を聞かされていたのだ。
五年前に家族を失ってから、律と高屋敷父娘くらいしか地元とは繋がりはなくなっていたが、絹代が事故で片腕を失ったことは聞いていたから] ――……。
[袖と手袋に隠された義手に、気遣わしげに視線を落とした]
(336) 2015/02/15(Sun) 16時半頃
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[麻夜たちと言葉を交わしていると、市街からやってきたセダン。 扉が開き、降りてきたのは見知った顔>>335]
……真弓さんも、ですか?
[『もしかして』と言う問いに頷き、答える。 青い部屋は夢で見たきりで、記憶の底に眠ったままだが、 さすがにこの状況下で活動していられるのは、能力者だけだと気付いていた]
(338) 2015/02/15(Sun) 16時半頃
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……うん。大丈夫だと、思う。 [真弓を警戒する明の服の裾を握る手に、そっと手を重ねる。
彼女がシャドウに乗っ取られていない保障はないが、 少なくともあかりには普段の真弓との違いは見つけられない。 疑い始めれば律も絹代も、麻夜ですら――ずっと行動を共にしていた明以外、本物であるか怪しくなるのだ]
私たちが来たときには、もう、この有様でした。 やっぱり、真弓さんたちも怪物に襲われたんですか?
[こちらがどうであったかは、ぼろぼろの征服を見れば、一目瞭然だろう]
(343) 2015/02/15(Sun) 17時頃
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私の方も怪我はないですけど、大塚くんが。 ……楠さんは大丈夫? 我慢したら駄目だよ。
[>>344真弓に視線で麻夜が怪我をしていることを示し、それから明に問う。 埠頭への移動中、戦闘を避けるためにかなり無茶な逃げ方をしたから心配はしていたのだ。けれど、消耗はしているようだが、怪我のない様子に安堵する]
(351) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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ありがとう。 [明に信頼の言葉を寄せられ、やわらかく微笑む。
知り合って時間が浅かったから、彼女の言葉に込められた重みは未だ分からない。 けれど、自分の身に危険が及ぶことも厭わず、あかりを救ってくれた明をあかりは信頼している。
だから彼女の期待に応えたい。 その想いが伝わるように、重ねたままの手を軽く握った]
(352) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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ん。 律っちゃんも、……無事でよかった。
[>>345案じるような言葉をかける幼馴染に笑いかけ、ふらふらしてたのは、そっちもでしょ? とか憎まれ口の一つも叩くが。 スクナビコナの見せる幻が効果を失ったせいだろうか? 膝からかくり力が抜けて、座り込んでしまう]
……あー、実はあんまり、大丈夫じゃないかも? ごめん。迷惑かけてばっかりだね。
[律と、あかりを案じる明>>353の顔を交互に見て、苦笑を浮かべてみせた。シャドウに飲み込まれたときの恐怖は、未だ生々しく残っていた]
(356) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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[普段なら「体がうまく動かない」などと聞かされれば、世話焼きの性質が全開になるところだ。 ……だが、今のあかりにその余裕はない。
自分を助けたせいで明の右腕が不調に陥った事実に 気付けなかったことは、後にあかりに後悔をもたらすことになるだろうか?]
(357) 2015/02/15(Sun) 18時頃
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