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93 Once upon a time...
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かせたのが…しい…
…じゃあ…べちゃう…
…
…なんてね…ねぇ…そうだなぁ
…にはね…はどちらにも…えるよ
…の…も…の…も…どっちも…ってる
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[―――…耳に届く泣き声が、徐々に、安らぐ。
華形のざわめきと、裏方のざわめき。
公演を中止に。
そう告げる声も少なからずあったが 団長の意向>>84が幸をそうして、大きな声にもならない。]
………… 弱ったな。
[青褪めた顔を、持ち上げた。 奏者>>136の、どこか力強いこえに、ふっと、弱るのは表情だけ。]
葬いに、……… 曲を、変えたら、怒られてしまうね。
[――――… 生前の、団長はそんな人物だった。 頷きを重ねて、血に濡れた膝ごと、身体を持ち上げた。]
(140) 2014/10/10(Fri) 23時頃
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わからない…なぁ
…にはあんまり…しそうには…えないけれど
…
…どっちに…える…
そうか…
…
おれは…は…おおかみだと…うよ…
きれいな…きれいなおおかみ…
…
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[再度、シーツに隠された団長の表情は、もう見えない。 ただ、身体がそこに在るという現実感だけを 確かに残す膨らみに、視線を落とした。
公演を、続ける為に、徐々に団員の姿がばらけてゆく。]
『分かっているとも。』
[気を、無理やりに、落ち着かせる為に。 血の匂いに興奮している蛇の口を介して、呟く。 ―――場を離れる前に、まだ涙声のペギーと、エフェドラに、目。]
本番、……… 楽しみにしている、ね。
[告げて、現実から離れる、一人と一匹。 ―――…人殺しが、テントの中に。 団員のざわめきの中から拾い上げた一言が、耳から離れなかった。指先は、また、ポケットの、お守りに触れる。]
(149) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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――― 物置テント ―――
[華形と異なって、表舞台に出る必要のない僕は 着替えと言うひとつのリセットが出来ないまま、場が動く。
舞台が整う、本番用の派手なメイク、衣装。 団員たちに擦れ違いながら、男の足取りは、物置テントに。 しん――――…と静まり返ったその場所は、獣の匂いがする。]
いち・に・さん、で、跳ねて、お辞儀。
[檻に繋がれた、プードル・カットの紐を、解く。 お披露目の手順を確認に、ぴょんと、目の前で跳ねた塊が すぐに目先の興味に釣られて、男の膝を、嗅ぎ回る。]
(154) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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[血の匂いが、するのだ。
膝に付着した血の色に、視線を落として、溜め息が漏れた。 肩に懐いている蛇もいまだに落ち着きがない。]
………… 本当に、赤ずきんが出るなんてね。
[小さく、ぼやいて、ポケットに指を忍ばせた。 片手に収まる猟銃。 指に馴染む、黒く、冷たい。]
本当に、恐がるんだろうか。 これ。
[装弾数は六発。 人狼が実在するなら、人間と同じように、猟銃を恐がるのか。 実際は猟銃と似ても似つかない、小さなお守りに、ぼやく。]
(159) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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きれいな…おおかみかぁ
…しいな
…
…に…えて…に…しいよ
…
わかった…
…
そう…きれいな…おおかみ…
…も…きれい…
…
…しい…
…しい…
…
を…ったから…
…
どうして…
おおかみ…なんて…こわくない…のに…
いやだ…
さ…たちを…らないからだよ
…の…おおかみを…らないから
…
…いやだ…いやだねぇ
…
よくわからないもの…って…だ…
…
うん…おこられたり…するのも…だ…
…
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――― 物置テント ―――
[―――… 時間にして、どのくらい。
自分にとっては猟銃とも呼べる、小銃を見下ろす時間。 テントの布一枚の隔たり。 その向こう側では、日常に、本番に向かおうとする 足音や話し声や、音楽の試し弾きが聞こえた。]
………… 今は、集中しないと、な。
[引鉄を人差し指で触れながら、漏れたのは溜め息。
くうん。 足元で、犬が鳴いた。
余程、無意識の内、険しい顔をしていたようで。]
(268) 2014/10/11(Sat) 23時頃
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お前、今日が本番だよ……
[膝の辺りの匂いを嗅いでは、鼻を鳴らす プードル・カットに声を掛けた。 人間相手にするのと同じように、動物相手にも声は欠かせない。
ひとの言葉を喋れなくとも 獣は賢い存在であると、知っていたから。]
ブローリンと、ニコラスと、シェロにも 感謝しておいで。
[本当は、まだ、余興に出せる出来でもないのだから。 手を伸ばして、犬と、それから本番で使う小道具を攫った。 ―――空気で膨らませるタイプの、虹色、七色カラー。]
(270) 2014/10/11(Sat) 23時頃
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[小銃を、ポケットに再度忍ばせなかったのは、無意識だった。
物置テントに、動物たちの檻に背を向けて 出入り口の為に合わせ目になっているテントの、布を抜けて。
――― 猛獣の仕業ではなかった ――― 人狼が、仲間が、団長を ――― まだ、テントの中に
様々な憶測が、団員たちの口を介して、右から左から。]
『お客さんの耳に届いたら如何する。 止めろ。』
[ぴり、と、告げたのは、蛇の口を通して。 団員が申し訳ないような、しかし眉を顰めて通り過ぎるのに、男も、眉を顰めた。]
(272) 2014/10/11(Sat) 23時半頃
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[決まり悪そうな団員の背を、厳しい眼差しで 見送っていた男の表情は、ふと、掛けられた声>>275に、緩んだ。
素肌の色はそう見せるのか、涙の片鱗は、一見に見えない。
泣き声を耳にしていたものだから 話題にすべきか、如何か、迷った間が、生まれる。]
『……………、やあ、アン・トニー。』
[導いた結論は、低い、気さくな蛇のもの。 彼の名前の間に間を作るのは、蛇の口を介するときだけだ。]
『何てことはない、世間話だ。 準備は順調かい? 緊張してはいないかい。』
[話題を変えるようにして、膝も、屈めた。視線の高さを合わせるためのもので。]
(284) 2014/10/12(Sun) 00時頃
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……… 衣装、今日のも、似合っているね。 ジリヤの見立てかな。
[本番仕様の、鳥の尾羽根>>261が目の前で揺れる。 鳥を毛嫌いにする蛇がやたらとそれを気にして ぎらぎらと目を光らせて、羽根ばかり気にしていた。
腕の中。 本番に向けて、首にネクタイを嵌めた、プードルも。]
ん。 …… 『やあ、お二人さん。』
[続けて、此方に寄る、ブローリン>>283とシェロが見えた。 一人と一匹を二人に数えて、声を掛ける。]
(287) 2014/10/12(Sun) 00時頃
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