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108 Persona外典−影の海・月の影−
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……。
[殺されかけた、その告白に、瞳は大きく見開かれた。]
[二度目の満月の夜。 禁足地のシャドウから逃れて合流したあと、大丈夫しか言わなかった大塚。
楠にまつわる話なら、そりゃ自分より花河の方が適任だっただろう。 そんな想像をしつつも、ただ黙って話を聞いていた。]
(101) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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[理解が置いつかなくなりそうでになりそうで、ゆっくり頭の中を整理し。 多重人格的なものかと考えながら、じ、と大塚を見つめる。]
助ける、ってのは難しいかもな。 雛宮と高屋敷、放っとくわけにいかないし。 けど……。
[最初の公民館の集まりでの、二人の姿が脳裏に*浮かぶ。*]
大塚があの子の事最優先に出来るくらいには、こっちはこっちでどうにか頑張るさ。
(102) 2015/02/23(Mon) 02時半頃
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……
[大塚の身を案じるなら、引き留めるべきかもしれない。 それでも。
恐いと言いながらも、死ぬかもしれないことをわかっていながらも、約束の為に戦おうとするその決意>>103を。 踏みにじることなどしたくない。] ん、わかった。 大塚達が助けてくれるの、アテにしとくからな。
[だから、二人で生きて戻ってこい、と暗に匂わせる。]
(116) 2015/02/23(Mon) 15時半頃
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[リツキは倒した>>105と聞かされれば、わずかに漏れる安堵の溜息。 シャドウが一人、消えた。 そして大塚は無事だった。 とは言え、親友であった筈の存在を手に掛けるという行為は、どれだけ重いものだろう? 考えたところで所詮は想像、自分には大塚の痛みを完全にわかる事は出来ない。]
……お疲れさん。 無事でいてくれてありがと。
[安易な慰めの言葉などかけたくないから、ただこれだけを。]
(117) 2015/02/23(Mon) 15時半頃
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ん……?
[続けられた言葉>>106は。 踏み込むことなく、踏み込まれることなく、あり続けた、屋上では聞くことなどなかった言葉。 大塚にも気づかれていたかと、視線は自身の膝のあたりへ落ちた。 躊躇いに軽く首を横に振って。 一拍置いて顔を上げる。] そう、だなぁ……。 大塚にだったら、話せる……かな。
ま、面白くもない話、だけどさ。
(118) 2015/02/23(Mon) 15時半頃
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[きっと大塚なら、安っぽい同情も、同乗のふりをした優越も、向けはしないだろう。 そう信じて、訥々と話されるのは。 ここに来る前はスポーツ推薦で入学したサッカーの強豪校にいた事。 高校1年の初夏に、試合中左膝を壊したこと。 日常生活に支障もなく、運動もある程度出来る程度には回復したけども、それでも完全に元には戻らない事。
夢を、諦めるしかなかった事。] こっちに来たのは、ある意味逃げかもな。 ”かわいそう”とか言われるの、うっとおしかったし。 僕の身に起きた事、安っぽいお涙ちょうだいのドラマか何かみたいに思っちゃうおばちゃんとか。 よくわからん宗教団体が怪我をネタに勧誘なんてのもあったし。
まぁそんなのもあったから、荒れたりしてたけど。
(119) 2015/02/23(Mon) 15時半頃
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そんでもさぁ。 ある日親父にぶん殴られて言われたんだ。
「お前は何をやってるんだ。 自分が不幸だからって、周りに不幸まき散らしたいのか? それじゃ、お前も不幸なままじゃないか。」 って。
……うん、目が覚めた。
[言って、ああ、と気付く。 自分は、確かに理不尽に晒されたけども。 親に恵まれてる分、幸運なんだろう、と。]
(120) 2015/02/23(Mon) 15時半頃
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まー、今もやっぱサッカーに未練たらったら、だけどね。 まだ、サッカーの試合すら見れないさ。 僕はもう、あのフィールドに戻れないってのが悔しくって。
それに、代わりの夢なんて見つかってないし。 けど、やれることやって、その先にまた新しい夢見つけるしかないのかな、って。
[間をおくようにふぅと息を吐く。 次に口を開けば、わずかにトーンが*落ちた声*。]
……僕もさ、一歩間違えば、シャドウになってたかもな? ま、だからと言ってシャドウに肩入れする気はこれっぽっちもないけど。
花咲達をこのままにしとくのも、誰かがまたあーなっちゃうのも、僕自身がそうなるのも真っ平御免だしな。
(121) 2015/02/23(Mon) 15時半頃
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------------------------------------------------ From:ケーイチ To:MAYA 件名:Re:さっきの事
こっちこそありがとな。 ちょっと気が軽くなったかも?
そだな。また屋上で。 例の本、なんだかんだで貸せてないしなw ------------------------------------------------
(169) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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― 満月の日の夕方・病院 ―
[幸いな事に、秋山とほぼ同じ時期に退院は出来た。 しかし、花咲の意識は戻らぬまま、満月の日は訪れる。]
花咲、櫻井……これ、借りるな。 ……扇なんて、僕には似合わないかも、だけどさ。
[鉄の扇は、焔の熱は伝えるけども、そう簡単には焼け落ちる事はない。 そしてグローブさえはめておけば、多少の熱なら耐えられるか。
腕を軽く奮えば、ぱん、と音たて扇は開く。]
絶対に取り戻すから。待ってろよ?
[再び扇を閉じながら、彼は一人出て行った。]
(172) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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―満月の夜・崇神神社―
[鳥居にたどり着いた時には、花河は既に奥へと向かっていた。 教えてくれたのは白を待つ黒。 またな、と軽く扇持つ手を振って、彼も奥へと進んでいく。
ぽっかり浮かぶ月は、もずっと赤く大きく見えて。 夜の闇すら飲み込んで染めてしまいそうにも思えた。]
(178) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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[しばらく歩けば、前方二つの気配。 それが誰だかなんて、すぐに予想は付く。]
……。
[彼は、鉄扇握る手に力込め、玉砂利を踏みしめ歩いていく。遠目に見えた、対峙する二人の姿。 赤い月の下、赤い軌跡と、下される鉄槌。 地を踏みしめる巨体の喚く声は、執念を感じさせるものに聞こえた。
彼はまっすぐ前に扇持つ手を差し出す。]
イサク、彼女に恩赦を。
[微笑めば、癒しの熱が花河を取り巻くか。 二人がこちらを見るなら、こう告げる。]
……や、お邪魔様?
(198) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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ああ、相手にしてくれるならありがたいけど。 それは御免かな。
[イサクが雛宮に微笑み、愚鈍化の魔法を唱えながら後ろに飛び退るけども、業火は彼の肩を僅かに焼いた。
その熱を感じながらも、同時、彼は己の裡で響く声に従い、手を前へ差し出す。 くるくるくると、春の息吹を思わせる風とともに踊るのは。 逆さを向いた死神のカード。]
我は汝、汝は我………。 ―――来いっ、オシリスっ!
[背後に浮かぶ、包帯に巻かれた男性の姿。 牧杖振るえば、破魔の白き光が焔ごとシャドウを襲わんと。]
(209) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[花河が首を振れば>>207、彼は僅かに微笑んだ。 宣言>>66は既に済んでいる。]
それが花河の選択、ってことだね。 なら……
……一緒にぶん殴ろうか。
(213) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[光に弾け飛ぶ蛇身に、ふと口元が緩む。]
そんじゃ、心置きなくやっちまうか。
[協力を要請する花河の声に。 牧杖で大地をだん、と突く。]
《砂よ踊れ》
[ぶわり、舞ったのは砂ではなく15程の玉砂利だったけども。 焔の剣を狙わんと空で加速する。]
(221) 2015/02/24(Tue) 02時頃
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それが人間、ってもんでしょ?
[前に出会った時と変わらず、冷静に思える言動>>220。 僅かに眉が跳ねる。
玉砂利は、刀身に届くことなく、焔の中で溶けて消えた。]
(222) 2015/02/24(Tue) 02時頃
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参ったね……。
[飛び込む鬼と、花河の微笑みに、やれやれと彼は呟く。]
そういう後始末とかは、頭いい人に任せたいとこだし。 これ以上取り戻さなきゃ行けない人間が増えるのは勘弁なんだぞっ!
[杖でとんと地を付けば、大地巡る水が集い、間欠泉のように焔の真下で湧き上がる。 その水はさて、焔の勢いを殺げただろうか? そして焔の中の鬼が焼かれるのを少しでも遅く*出来ただろうか?*]
(235) 2015/02/24(Tue) 02時半頃
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