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78 わかば荘の薔薇色の日常
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─208号前─
[眠ってから時間は少しだけ経ち、窓の外にはうっすらと雲の隙間から晴れ間が覗く。 こんな天邪鬼の吊るした呪いが効いたのかどうかまでは、わからない。 もう少し寝ていた方がいいのだろうけど、先程までの眠りが久方ぶりに心地いい深い眠りで 薬を飲んで体が誤魔化されているのもあって、起きることに決めた。 シャワーを浴びて薄くしか生えない髭を剃る。 着替えはやはり長袖の黒い服で。 煤渡りはエンジニアブーツの足音をたてて玄関を出た。]
……ん?
[扉を開けたところで、新聞差しにぶら下がる袋に目が留まる。 明け方は余裕もなくて気付けなかったが、一体なんだろう。 手にとって中身を確認しながら、廊下を歩き出す。]
(129) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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[どうやら中身はドーナッツのようだ。 わかば荘近辺にあるドーナッツ屋の包み紙が見えた。 誰からの差し入れなのか、全く見当がつかない。 しかしだ、昨日からなにか貰うことの多いように思う。
昨日の朝は、永利から部屋の鍵を。 まだ食べられてはいないが、檀からはチョコを。 檀の作ったホットケーキを、草芽から。 雨の中、律儀に迎えにきた藤堂からはビニール傘を。 宇佐美からは目に見えぬ気遣いを。 南方からはから揚げをもらったし。 今朝に至っては達久に卵粥までもらって。 更には誰かさんからのドーナッツだ。
半数以上食品の類いで、オレはそんなに餌付けしたくなる生き物なんだろうかと エンジニアブーツの足音は二つ隣の扉の前で足を止めた。]
(130) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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─206号室─
[丁度、階下で厳かな宣言がなされていた頃だ(>>125) オレは昨日よりも軽い力で、コンコンと永利の部屋の扉を蹴った。 手より先に足が出るのは、元々足癖が悪かったのと 手はベースを引くからあまり使いたくないのと、だ。 そしてこれは起こすための『蹴り』ではなく、部屋に入るための『ノック』。]
入るよ。
[声が返ってきたかどうか。 鍵は掛かってなかったらしく、オレがノブに手を回せば扉は簡単に開いて 少しふらふらしながら、部屋の中に入った。]
(132) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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[薬を飲んでいるとはいえ、総合的には風邪ではなく栄養失調の類いで。 そんなのわかりもしないから、ふらっと適当な場所に座り込んだ。 ふらふらしているのはいつものことだから、永利が体調の変化に気付くかは知れない。]
起きんしゃい。 たぶん、下行かんと食いっぱぐれるっちゃ。
[遠い談話室の声が聞こえたわけでもないし、オレはエスパーでもなんでもない。 ただ十年もいると、何となく足音は誰のものか聞き分けられたりもするし 殊更管理人に関しては、談話室に居るだろうことがわかったりもした。 買い出しに行くから手伝えとか、手伝わなきゃ食い扶持はないとかたぶんそんなことを謂いだすんだろう。 でも、あまり手伝わなくてもきっと、食事は置いておいてくれるんだろう。 オレがずっと見てきたのは、そんな人だ。]
(136) 2014/06/27(Fri) 10時半頃
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オレは、食わんからくさ。
[今は、弱った胃が受け付けない気がする。 それにやっぱり、管理人と顔は合わせ辛くて。 恋は人を美しくするだとか、そんなのは恋が報われているヤツだけだ。 叶いも報いもしない恋に、美しくなる要素がどこにある。
それでも、少しだけは顔を出そうかと思っている辺り 自分自身の心境の変化には気付けずにいて。 浅く息を吐き出してから、ポツリと思い付いたように永利に問いかけた。]
……あんさ。 デザイナーって、早朝会社から呼び出されたりするとや?
[達久は顔を出さないん、だろうか。 いつもの髭面じゃなかったせいか。 なにか、すこしもやついていて**]
(138) 2014/06/27(Fri) 10時半頃
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なんでこいつその…で…くないんだろう…
まだ…がる…で…をぼうっと…ている…
…の…に…し…とやかく…う…はないが…から…だった…
…の…として…している…
が…を…やって…をつけるところをみるに…どうやらちゃんと…いみたいだ…
…げばいいんじゃないだろうか…
…そうは…うが…に…と…ここまで…であると…した…での…れない…とか…の…とか…らかの…があるようにも…えなくもない…
…つけながらかよ…
…をつくという…は…してほしくないという…なのだろう…
その…は…にとっても…ちんに…える…
だから…これもまた…
…まぁいいか…
…となる…
…だな…
…り…そう…しておいた…
わかば…に…るところがないのに
ここから…げてどうする…
…
…なんも…ってないけど…わせてもらえるかな…
…
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[なんだかとても眠そうにしている。 昨日と同じくらいの時間に来たつもりだったが、タイミングを間違っていたらしい。 なにか口が動いたが、その動きは音を鳴らさなかった(>>153) 自分が誰かを呼ぶ時のようですこし、視線を泳がせる。]
昨日、起こせんかったからくさ。 寝たばっかやったとね、すまん。
[寝たばかりだったと溢す声(>>154) それに返す謝罪の言葉は、それこそ今までよりするりと溢れ落ちた。 珍しいと謂われても仕方がない。]
……今日、雨降ったらオレの所為にして構んばい。
[『天露』なんていう名前の所為もあるのか、雨にはよくよく縁がある。 昨日の雨ももしかしたら、本当にオレが降らせていたのかもしれない。 なんて、冗談を思い浮かべながら。]
(161) 2014/06/27(Fri) 16時頃
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や、オレは変わるつもりないっちゃけど その『タク』が、スーツ着て朝方出ていったとって。
[バンドを組んで歌っているなんて、話したことがあるのはフランクさん以外に誰がいただろう。 覚えていないが、音楽の話をした時にちらりと溢してしまっていた気がする。 自分はベース片手にボーカルをしているのだと。]
呼び出された、謂いよったし。 まあ。
[クライアントというやつに呼び出されたのだろう。 そう思うことにして、寝惚けまなこで二度寝に入る永利を見下ろして立ち上がった。 ふらりとはするが、歩けないわけではない。 手を振られ、それにどう返していいのか視線が彷徨って。 のろりと手を上げてみたが、恥ずかしすぎて振るまでは出来なかった。]
ばーべきゅ頃には、しゃんと起きんしゃいよ?
[ぶっきらぼうに捨て台詞。]
(162) 2014/06/27(Fri) 16時頃
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─102号室─
[手を上げただけで、気恥ずかしくてたまらなかった。 昔はさらっと出来ていたことなのに、もう二度とやらない。 そんな風に思いながら、ふらふらと足を進めて一階に降りる。 ウッドデッキのベンチに行きたかったが、そこへ行く手段は二つ。 談話室を抜けるか、管理人室の前を通って玄関から回り込むか。 どちらも高難易度のミッションだ。 階段を降りきってから、屋上に行けばよかったと思ったが 流石にもう階段を上がる体力は、概ね、ない。]
……、…。
[ふらと入り込んだのは102号室。 ひとつだけ空室のそこは施錠されていなかったように思う。 煤渡りは部屋に入ると、壁を背凭れにずるりとしゃがみこんだ。]
(163) 2014/06/27(Fri) 16時半頃
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[天気もよくてバーベキュー前ともなれば、わかば荘一の筋肉の塊は修行でも開始するのだろうか。 オレが謂えたぎりじゃないが、喋り方が独特のゲームマニアも バーベキューは参加するんだろうか。
勿論だけれど、フランクさんも居るんだろう。 気まずい、会いたくない、後ろめたい、申し訳ない、 でも会いたい、話したい、それが心苦しい。
結局そうやってずるずると、此処に居座り続けている。
項垂れるようにして、浅い呼吸を繰り返す。 傍目に見ると座り込んで寝ているだけに見える、はず。 空室の102号室を誰かが訪れればの、話**]
(164) 2014/06/27(Fri) 16時半頃
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…ふわり…ふわり…を…める…の…が…わる…
…の…がかわるように…
…やかな…が…
…へ…
…が…をはくはくと…かした…
にて…
…するなんて…になって…いだして…まったく…というやつは…どいつもこいつも…
…お…れてきた
…
…くん
…おはようさん
…
…きてる…
…もの…すなら…やで
…は…なので
…えなくてごめん
…
…じ…にいるなら…って…す…を…ぶ…
…に…を…するのは…しぶりだった
…わってないといいのだけど
の…まで…んで…は…ど…めたまま…のとおる…をつくって…を…す…
…を…いた…が…に…いた…を…んだ…
…には…の…がこびりついている…
…の…には…が…て…けられていて…きい…に…ねられていた…
…のようなものが…らかっている…という…はない…
…に…らす…に…なものがあるだけの…うべきものはきっちり…われているらしい…な…あるいはただの…だった…
…して…えるもの…を…うのは…に…きじゃないし…であればどんどん…てる…
…ばかりの…は…に…めきれずに…にあった…
…があって…る…があるのは…として…に…られた…しか…かない…には…のために…をかけるし…しやすいという…で…の…は…めっぱなしにしているし…と…の…もつっぱり…と…で…ってあった…
…だけあけて…くるりと…をかえした…は…あつい…と…いて…を…ぎながら…に…する…
にて…
…な…はつつながく…する…
…していたような…にはなっていないが…
…それでもほかの…たちの…が…わってきて…
…そういや…さん…
…り…いに…いたっすよ…
…は…あ…ええと…のほう…
…あ…
…が…を…えて…が…ける…
…の…が…き…さる…
…あれ…うってことは…って…うぐわ…
…てを…う…に…の…りが…に…した…
さ…せんした…
…む…を…でつつ…を…い…とす…
…の…に…われるのはいつものことだ…
…が…なのはともかく…
…そろそろ…の…は…わりそうだ…
…れば…で…りたいが…たして…
わかば…
…
…もかなり…してたしなあ…
…なにもなかったふり…とか…いや…があの…で…わないこと…ってるしな…
…
…まあ…が…もなかったことにしたいなら…それにのってやるかな…
…
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