93 Once upon a time...
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[ペギーは立ち上がった。ぐしゃぐしゃの顔をぐしゃぐしゃの袖でもう一度拭って、一度、テントをちらりと見たが……そこはまるで夜の暗がりのように恐ろしいものに見えた。すぐに顔を逸らす。]
………ねえ
[エフェドラの服の裾を摘んで、黒髪を見上げ]
おなか、すいた。
(177) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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わかった…
…
そう…きれいな…おおかみ…
…も…きれい…
…
…しい…
…しい…
…
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うん。なる。
[ペギーはエフェドラの後について歩き始めた。 歩きながら、はたと思い当たる。]
こわいかお。 ………ざっく?
[クラウンの顔が頭に浮かぶ。あれは確かに怖い顔かもしれない。などと考えながら、食堂への道をゆくのであった。]
(187) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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[中途半端な丈のズボンから突き出た脚には、まだ土埃もこびりついていた。サンダルを引きずるようにしながら、ペギーはエフェドラに続いて食堂へと足を踏み入れる。上着の裾は掴んだまま。涙は乾いていたが、目元は赤く腫れ上がっていた。]
………おはよ。
[食堂の面々に挨拶を交わして歩く。先程の男たちも、隅のテーブルで朝食をとっていた。ペギーの姿を認めると、やや安堵の表情で、軽く手を挙げ挨拶した。中央のテーブルにはパンと格闘する赤毛の少年。
クラウンが姿を現したのは、ちょうどその頃。]
(199) 2014/10/11(Sat) 01時半頃
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を…ったから…
…
どうして…
おおかみ…なんて…こわくない…のに…
いやだ…
さ…たちを…らないからだよ
…の…おおかみを…らないから
…
…いやだ…いやだねぇ
…
よくわからないもの…って…だ…
…
うん…おこられたり…するのも…だ…
…
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[クラウン・ザックからカップを受け取って、てのひらで包み込んだ。温かい。立ち上る香りを深く吸い込んでから、ありがと、と、はにかむように呟いた。]
……うん。だいじょぶ。
[実のところは、まだ少し混乱もしていた。訳のわからない恐怖もあった。 しかし彼女にはメルヘンしかない。このサーカス団が、彼女のすべて。他に行くところもなければ、できることもない。やるしかないのだ。]
ぺぎーは、ふえがふけます。
[見上げて、一語一語、ゆっくりと答えた。決意をあらわすにはあまりに乏しい語彙であったが、いつになくはっきりとした口調が、その気持ちを代弁していた。]
(215) 2014/10/11(Sat) 02時頃
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ぺぎーはだいじょうぶ。
[どちらかと言うと自分に言い聞かせるように答えて頷き、側の椅子に掛けた。上唇で注意深くカフェオレの温度を確かめ、ひと口すする。ほんのり香ばしい甘み。クラウン・ザックは人相こそ悪いが、人はいい。 多分ああいうのも、優しい、というのだろう。
クラウンの方へ目を向けると、綱渡りのスージーと何事か話し込んでいる…が、声はここまでは届かない。ペギーは再び、たゆたう水面に視線を落とし、目の前の温もりに身をゆだねることにした。]
(233) 2014/10/11(Sat) 13時頃
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