78 わかば荘の薔薇色の日常
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[聞き覚えのある声>>270に 視線を向けると本人の部屋からだった。]
日向? 入るぞ。
[鍵は空いているようだが、一応声を掛けて扉を開けて。]
力仕事がいると聞いたんだが。 それより猫、見たぞ。
[こんな早朝から、まさかラック作りだろうかなんて 馬鹿な考えが浮かび、それを打ち消す為と、 先程の運命の出会いの興奮を忘れない内に伝えながら 室内を見渡した。]
(276) 2014/07/01(Tue) 01時頃
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で、何がどうしてこうなった? …取り敢えず風邪引くから髪拭いて服着ろ。
[室内にいるのは濡れ鼠の日向とドライヤーとタオルを持った 宇佐美の2人。 朝から何があったと首を傾げてみるが、まずは濡れ鼠を 何とかすべきかとタオルを取ると日向に渡す。]
(277) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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どうにかって、具体的に。 あーいや。
[AVの内容を思い出して首を振った、 ゲイではない以前の問題だった。 すべてを説明しなければならないと思うと気が重い、 そういうのも含めて今迄オコトワリをしてきたはずだったし]
お前にっていうか性的欲求をまず持ってない、 これからそれが浮かぶ可能性もわからん。 突っ込みたいなんて言うならお断りだ。
(278) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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それに。
俺の本職はちょっと厄介でな。 お前を最優先することはできねえ。
呼び出されたら昨日みたいに出て行くし、 下手すりゃ帰ってこない。
[とは言っても最近は随分平和だが]
あとは、お前が逃げても俺は追いかけない。 そんな奴ずっと好きで居られんのか?
(279) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[自室の扉を完全に閉めることも開けることもなく。 盾のように、ぴったりと自分の半身に付けたまま。
じっとじっと睨むようにしている様は、他者へ惜しげもなく向ける人懐っこさはなく。 どちらかというと人間不信の動物の顔をしているが、どちらも嫌われたくないのベクトルが正負違うだけだ]
手……?
[短い単語>>273 こちらへ見せられる掌に、何がしたいのか理解しようとして失敗して。 不可解なままに、それでも恐る恐る手を向ける]
(280) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[歯をくいしばりながら、ズンズン進み 漸く冷静になってきた頭で外を見ると、 サァサァと雨。
昨日のバーベキューや、火薬の匂いを キレイに洗い流していた。
昨日、雨が降らなくて本当に良かった。 日頃の行いが良いからだろう。 きっとそうだ、と決めつけた。
用もないのに家を飛び出し、 また家に戻るのも癪なので談話室へと移動する。]
(281) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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ん……ぁー…三毛猫、触れた?
[足音が近付いて、扉が軋んで開く音。 玄関傍の脱衣所からはよく聞こえる物音と声に、 抑えた笑いを含んだ軽口を返す。
部屋は相変わらず今日もごちゃごちゃと賑やかだ。 統一感を一切合切欠いた玩具や本やその他諸々。
…こっちこっち、と手を揺らして見せる脱衣所も、 賑々しく様々な物が配置されている。 俺と、眠る宇佐美はそれらに紛れて床の上。]
風呂手伝って貰って、出たとこで、 宇佐美…寝ちゃってさ。 ちゃんと眠れるとこ…、連れてかねぇと…って。
[渡されたタオルの下から檀を見上げる。]
(282) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[扉から恐る恐る差し出された手を いつもと変わらぬ温度で、握る。
握って、手前に引いた。
部屋の中から引っ張り出すように──。]
(283) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[握った手を離さず、 反対の手を、草芽の前髪に伸ばす。
逃げられなければ、前髪を額で押さえて 覗くライトブラウンを、間近から見下ろした。]
(284) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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優しくしたら好意を持つ、そりゃ普通のことだ。 誰だって自分に優しい人間が好きだろ。
[そんなで惚れてたら荘のなかで大変なことになってる。 実際もうあれこれと、関係は絡まっているのかもしれないが その辺りはあずかり知らぬところ]
そんで、好かれて嬉しくないってことはない。 ただなー、俺が誰かとどうこうするのを考えたことがな。 まるで無かったな。
[それを今から考えろということなのもわかっては、いる]
(285) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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見て。
[気持ちを伝えるのに、言葉はいらない。 そんなことを言うのは、 物書きとしてどうかと思われるかもしれない。
けれど実際、 視線から、態度から、読み取れるものは多い。]
(286) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[>>267ようやく貰えた1年半越しの返答に口許が緩く弧を描く。 そっか、と返す言葉は少し震えて、少し熱くて。 覆っていた手の甲を外すとぼやけた視界の先にある人影、 見えない距離の筈なのに、藤堂の表情が見える気がした。**]
―――――……、
(287) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[達久が面倒そうな表情をしている、気がして。 それでも突っぱねず、見捨てずに話してくれた言葉をきく。
性的欲求を持っていない、のは オレに対してなのかすべてに対してなのか。 浮かぶ可能性なんてそれこそ もともと無いに等しいと、オレは思っていて。 突っ込みたいか突っ込まれたいかは たぶんオレが突っ込む側には回れないと、思う。
仕事のことは、デザイン関係じゃなかったんだろうか。 最優先に出来ない、帰ってこない。
後に続く言葉を聞いて。]
(288) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[疑問系で終わる言葉に、仄暗く赤い瞳を向ける。 睨むような目に、なってしまう。]
逃げ出す、かも、しれん。 そげん強くないんは、知っとろうもん?
でも、逃げた ない、から。
(だからフランクさんと、話してきた、のに。)
[ぎゅうと眉間に皺が寄る。 泣きたくないのに、視界が滲むから。]
(289) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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未来の、先のことなんか判らん。 そげんこつ考えて、どうにかなるようやったら 好きになんか、ならんっちゃ。
優しいだけで、好きになるんやったら 藤堂とか、宇佐美とか、もっと優しいんはいっぱい居る。
理由とか、理屈とか
そげん、ことで、どうにかなるなら
(男なんて、愛せるわけがない)
(ゲイになんて、なっていない)
(290) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[そして勇者は、しばらく後、凱旋の帰路についていた。 小雨降る降る坂道を、上る。]
……ふぁ、
[のんきに欠伸なんかしつつ、だ。 しっかり寝たはずなのにこの体たらく。焼鯖弁当片手に、一歩がゆったり、重くなる。]
――……、
[いけない。 わかば荘への道のりを、少し急いだ。]
(291) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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[部屋は住人を表すとは良く言ったもので、 色々なものが見える日向の部屋>>282は 何にでも楽しんで関わろうとする性格のように思えた。]
……触れてない。 徹津はしっかり抱えていたがな。
[自慢しようとしたが、猫に付いては何故か日向の方が 一歩先の様な気がして、三毛猫代わりに 水気の残る髪をわしゃわしゃと掻き回す。]
進が見ていてくれるはずだから、早く終わらせて見に行くぞ。
[猫についてはライバルだが、折角徹津が与えてくれた機会。 日向も進も一緒に見てみたい。]
(292) 2014/07/01(Tue) 01時半頃
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― 談話室 ―
[昼にも関わらず、静かな談話室。 今日は誰もソファで寝ていなかった。
昨日の賑わいの差なのか、それとも… 最近はずっとソファで寝てたやつがいたことを思い出し、そのせいかやけに静かに感じる。]
…。
[そういえばアイスと、シュークリームがあったはずだと冷蔵庫を開けると、文字が、見えた。
『おつかれさま、攻太』
山盛りの肉と、海老に、野菜。 こんもりとラップにくるまれていた。]
(293) 2014/07/01(Tue) 02時頃
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…、誰の字、だ?
[送り主の書かれていない張り紙。 皿を取り出し、数秒、瞼を瞬き。
マジマジと見つめ、プッと一人、笑いがこみ上げた。]
皆、まじ優しいのな。
[送り主は地道に探すとしよう。 ちゃんと礼をいいたい。
ひとまず、ありがと、と心の中で礼を。]
(294) 2014/07/01(Tue) 02時頃
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は…が…すき…と…
…に…たなかろうが…
…を…に…なかろうが…
…どこかへ…って…ってこなかろうが…
…は…この…ちを…にしたくない…
…
…お…に…のこと…すきに…なってほしいと…よ
…
…
…
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そして冷凍庫にはいろんな味のアイスが残っていた。 その中に、大きなパフェ型のアイスが1つ。]
これは…早いもの勝ち…か?
[まあ、これだけ残っているのなら、 後で皆で食べるのも良いかもしれない。
大きなパフェは…ジャンケン大会か?
少し悩んで、また肉を食べたら考えようと冷凍庫を閉じた。肉だけ別の皿に移し、レンジでチン。
そういえば、いつの間にか心穏やかで、 腕の痛みも消えていた。]
いただき、ます!
(295) 2014/07/01(Tue) 02時頃
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宇佐美、疲れているのか?
[昨夜彼はそれ程はしゃいでいただろうか。 記憶が曖昧のまま、それでもここで寝て 調子が良くなるとは思えない。]
判った。 宇佐美の部屋、空いてるのか?
[防犯意識が欠如しているグループとしっかりしているグループに 分かれる中、彼はどうなのだろう。]
おい、宇佐美、寝るならベッドで寝ろよ? 掴めるか?
[ゆっくり休ませようと言う優しさとは別に、 宇佐美に声を掛けるとおんぶで部屋まで連れて行こうと**]
(296) 2014/07/01(Tue) 02時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2014/07/01(Tue) 02時頃
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[安穏と雨の暗さに満たされた室内は、厚着の服と同じように自分の身を守る。 いつでも逃げ出せるように、見られたくないものを見せないようにとしていた殻は >>283なんの躊躇いもなく握られ引かれた手によって乱暴に壊された]
え、なん……ちょ、まって、ひっ、
[>>284混乱している間に、前髪を押さえられて。 間近で色素の薄い瞳を見下ろされ、小さく息を呑んだ。
久しぶりに明るい視界に、手を振り払って逃げ出したくて。 それなのに、ぐりぐりと色鉛筆で下手くそに塗りつぶされたように、何やら極彩色の感情に押し流されそうで。 わーっと叫びたいような、落ち着かない安堵に硬直する]
――、
[>>286端的な要求に、何をと訊こうとしたが。 はく、と口が動いただけ]
(297) 2014/07/01(Tue) 02時頃
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[ただ、いま、と普段の二割増でゆっくりした帰還の挨拶。 賢者の老人の出迎えはなかった。が、101の方面から、人の気配はする。 ふら、と101を、改めて覗き込む。]
(298) 2014/07/01(Tue) 02時頃
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