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64 さよならのひとつまえ
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[とりあえず、目頭を拭うふりをして、片手で顔を隠す。 ハンカチがあればもっと上手く隠せたろうに、一体どこに行ってしまったか。
鎮めようとしていた為、近付いている歌声に気付くことはなく]
……ぅわッ!
あ、樹央か。
[歌とともに開けられた扉>>294に、かなりいいリアクションをしてしまった。]
(305) 2014/03/30(Sun) 23時半頃
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[コンビニに着けば環との約束通り、そこにあったプリンを全種類一個ずつ買った。 全部で8個。 別のコンビニまで足を延ばして、もう3個追加で買った。]
断髪式、始まってるかなぁ。
[プリンの入ったビニル袋を提げて、時計を確認しようと携帯を出す。 メールを受信していた。 買い物に夢中で気付いていなかったと確認すれば、送信者の名前に手が止まる。
立ち止まって、中を見る。]
(306) 2014/03/30(Sun) 23時半頃
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[近づいてくる気配に気づいた時には、遅かった。>>287 引き寄せられて、思考が止まる。
いつもより近い距離。鼻を掠める匂い。額に触れる体温。それらに気づいた途端、かぁ、と顔が赤くなる。 今ならこれは恥ずかしさだと誤魔化せる。胸元に手を当てて突き放そうとしたけれど。降ってきた声に、その指先は彼の服を緩く掴むだけに終わった。]
…………ばか、話振ったの俺だし。 謝るな、ばか。
――寂しいよ。 今更言わせるなよ、先に出てくくせに。
[頭を撫でる大きな手。熱くて苦しい。 軋む痛みを必死に堪えて。目を閉じてほんの少しだけ、その肩口に額を擦り付ける。]
……ごめん。
[少しして、掴んでいた指先から力を抜く。 頭を離すと俯いたまま、一言だけ謝って。袋と猫缶のゴミを片づければ、並んで公園から歩き出した。*]
(307) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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…
…
…まりまりもりもり
…
だからまりもはよせ…
かみもそめない…
…られるようになるように…る
…
…
…
…ごめん
…
そうか…
…ったけど…に…しされた
…の…
…
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[>>297隣いいか、と言われ、顎をしゃくってみせる。無言の促し。 そうして隣に座る那由多の、ぽつぽつと続く言葉、お前がよければ、と掲げられた手の中の─────]
─────……っ
[反射で歯を食いしばった。そうしなければ何かが零れそうだった。 どうして。それは。棄てたはずの俺のこころ。何でお前が。 枯れた部分を丁寧に切り取られ、延命処置のなされた小さなサボテン。見覚えのあるそれは、見覚えのない救われ方をしていて、そうして続く>>299那由多の言葉はどうして。 息が止まっている。心臓も停まっている気がした。 痛い。もうぜんぶ痛い。 棄てたこころが救済された分だけ、それを救おうと手を差し伸べてくれた那由多の言葉が積もる分だけ、それが溢れそうになるのを必死に押し潰す分だけ。 眉根が寄る。食いしばった顎と、指先が、震えているのが自分で分かる。 どうして。───────どうして]
(308) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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―食堂―
[>>271 待ち受けに表示されたミットの絵が見えた気がする。じっくり見た訳じゃないから本当にこいつ野球が好きなんだな、という感想を抱く。星然り漫画然り、何かに打ち込めるというのは特に何も取り柄のない自分から見ればすごいことで。]
怪我してねーならいい。 世話かけじゃなくて、ダチなら当然の心配だっつの。 …ありす達が怪我していいとも思ってねえけど、 でもお前は特に怪我したらだめだ。
[喧嘩の原因に関しては、結局わからないままだ。そっか。と短く返す。教えてもらえないから不貞腐れる、とかそういうのはなかった。一度口にした言葉は取り消せないのだ、どこからまた噂が立つかわからない。口にしない方がいいこともあるのだ。そういうことなのだと思った。*]
(309) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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[>>299何度か彷徨って、それでもこちらに向けられるまっすぐな視線。 連なる言葉。自分を平凡だと思っているだろう彼の、そういう芯の強さとか。淡々としているくせに、時折瞳に滲む草花への熱意とか。
好きだよ。本当はずっと言いたかった。好きだ。ごめん。 好きで好きで、微笑んでほしくて。笑顔が見たくて。
でも必死になって、誰にも気取られないように、誰にも気付かれないように、潰しながらサボテンへと注ぐに留めて。 愛するすべてを裏切らないために全部ここに置いてゆこうと、棄てていこうと、思っていたのに。 生きていると、言うのか、お前は。 必死に生きようとしていると、そう言うのか那由多お前は。 僅か熱をはらむ目を眇める]
いきられると…………思う か それでも、俺が、こいつを生かせると
いつか花を咲かせられると
[このこころに]
(310) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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…
…おごる
…
…ってんの…い
いな…どこでも…け
んじゃん…
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あはは、保元いいリアクションし過ぎ!
[タオルハンカチを手に持ちつつ、腹を抱えて笑う。あと、何日こんな日々を過ごせるのだろうか。
メールで送ったように、やっぱり寂しさは拭いきれなくて。寂しさを振り切るように、笑う。]
(311) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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─断髪式中─
[>>302ぽそぽそと続けられる言葉に、ちらりと眉を上げて。 自分のイメージする頼児は、いつかの食堂で見たような健全で無骨でまっすぐな高校球児、みたいな姿だけなのだけど。 助かった、と零した声音。うん、と頷く照れて染まる頬。 これはいつもの調子でからかったりしない方がいいな、と思っていれば>>305片手で顔を覆う仕草。「かわいいな」と声を掛けようとしたところに>>294樹央がやってきて、意識はそちらへと向いてしまった]
おう、那由多は終わっちまったなァ
[黄色いブーケを片手に、肩を竦めてにやりと笑う]
(312) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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─ 断髪式後 ─
[外出中らしい明智に代わり、スマホで何枚か写真を撮ってはみたのだが、どれもろくでもない写りだった。 とりあえず、そこそこマシなもの数枚は、欲しいという者達にその場で送った。
それから、残りのスケッチブックを片付ける為、部屋に戻る。]
…………
[普段、メールの返信になど無頓着で、用が済めばそれでいいと思っているのだが。 ちゃんと送信されているか確認してしまう自分に、少し呆れた。]
(313) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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[触れないことが、大事にすることだと思ってた。 そういう事にだって興味はあったけど、彼女を大事にすることのほうが、大切だと思ったから。 それは、彼女が好きだから。だから、だと思ってた。
なのに。
その時、別になにか特別な話をしてたわけでもなかった。 ただ、話の流れで、入江がふっと笑ったときに。 抱きしめたいな、と自然に思って。 いやいや何でそこで抱きしめたい? となったのが、たぶん一番最初の気付き。
自分から彼女へ触れることがなかったと、別れを切りだされた時に言われて。 じゃあ、ふいに、ときおり、衝動のように彼へ感じる、触れたいって気持ちは何なのかと。
はじき出された、間違ってるはずの答えに蓋をしたのが、ずいぶん昔のことに感じる]
(314) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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[自制していても、いつだって気づくのはやらかしてしまった後だ。
鼻先をくすぐる、整えられたばかりの柔らかな髪の匂いとか。 熱い肩口とか。 ゆるく服をつかむ、指の頼りないちからとか。
撫でる指が、震えてなければいいと思った]
……うん。ごめん。
[じわりと、わずか擦りつけられた熱>>307に、空いた手でもっと強く抱きしめそうになったけど。 なーぉ、と足元から聞こえる声に、ここが外であることくらいは忘れずにいられた。
肩を貸してる、だけだ。 だから入江だって突き放さないし、誰かに見られたって言い訳できる。 それだけだ。伸ばしてしまった腕に、罪悪感と後悔をどれだけ感じても、ひどく満たされているとしても]
(315) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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…ん。
[指が離れていく。 俯いたまま、告げられた謝罪に、曖昧に首は振ったが見えなかっただろう。
並んで、こうして歩くのも、きっと最後。 自習室には早く行かないといけないけれど、帰り道は終わらなければいいのに。 茶封筒の入ったカバンを、所在なげな気持ちの代わり、ゆるく振り回した]
(316) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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―夕方・自習室にて―
[臨時床屋に滑り込んだ時には、保科の髪が、さくりさくりと散っている頃だったか。 その様子を、保元が撮っているのが少し意外だった。 いつもカメラを構えていた姿が、見当たらない。
明智は、まだ寮にいる。はずだけど。 明日、自分と保科が去り。明後日も、明々後日も、誰かが去っていく。 その人がしていたことを、此処がからっぽになるまで、誰かが継いでいくのか。
卒業式までに何度の目にしたはずの引き継ぎより、もっとささやかなものなのに。 じりじりと焦燥感が煽られ、こみ上げてくる寂しさに。 もっと後のほうまで手続きが長引いていたら、……]
…あ、あー……りす、さん?
[物思いに沈みそうになった頭に、乱暴な扉の開放音と共に飛び込んできた声>>263。 ぽかんと呆気にとられた後に訪れた笑いの発作を、頑張ってこらえた。 たぶん、背中がぷるぷる震えてたけど]
(317) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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[どのタイミングか、締坂が出前>>294に現れたなら。 待ってたぜー、と囃し立てて。
保科が散髪代>>256を山本に差し出せば、次に彼のハサミが向かうのは自分か。 それなら、最初はやいのやいの逃げるものの、結局は、最後の散髪を彼に任せた。
ただ、いつもなら何も心配せず、くつろいで任せられていた時間に。 時折、眠気のフリして目をこすってしまってたけど]
(318) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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―断髪式―
[冷や汗を垂らす樹央に>>294自分は終わったからか悠々とした顔で。]
俺は終わり。成斗はこれから。 だからぜひ、バックで壮大に歌い上げてやってくれ。
[ヒラヒラと手を振る。]
(319) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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[メールを送って、息を吐く。 空を見上げれば、メールが届く。 反応が早いなーと感心し、そういえば利一からも返信が早かった。 皆まめだなぁと、思う。
中を確認して、変換ミスや打ち間違えだろうメールに笑みが零れた。 ほら、もう大丈夫だ。 笑えている。]
(320) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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トレイルは、ドナルド食堂寄ってから行くからと、自習室で向かう途中で一度別れた。*
2014/03/31(Mon) 00時頃
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何だって…………保科の終わってたなんて………
[気まずい雰囲気の後に出た言葉は]
(321) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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らいじ…
…へっただなぁ…
…
ぼくがいないんだから…わりにちゃんと…ってくれないと…
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締坂の事は嫌いになってもUNDER170cmは嫌いにならないでください!
[むちゃくちゃなテンションで誤魔化すことにした。]
(322) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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[先程のメールには使わなかった、使えなかった絵文字も使って返事を送って携帯をしまう。
全部で11個のプリンが重い。]
(323) 2014/03/31(Mon) 00時半頃
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なっちゃん…他人事だからって… 壮大なBGM背景に髪切られるって、落ち着かねーよ!?
[山本の手元が狂うとは思えないが、自分が落ち着かなくて身じろぎそう]
(324) 2014/03/31(Mon) 00時半頃
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ひもいや
…うんそ…そ…
…
なかなか…だよな…しくなるし…
そいや…ひもいやは…どこいんの…
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「ばけもの姫」歌う?
[禁断のカウンターテナーに手を出そうとした。]
(325) 2014/03/31(Mon) 00時半頃
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…分からない。
[震えるような問いには>>310迷った末に、小さく首を振る。 サボテンを見つめる手は震えていた。>>308 それだけで、どれほどの逡巡の後にそれを手放したかを、否応なしに理解して。 無責任な言葉を放つことが、躊躇われた。]
でもこいつは、お前と生きたがっていると思う。
[ずっとずっと、思ってた。 部活で花を咲かせる度に。 隣にいるそいつも、同じ喜びを得られたら、どんなにいいかと。]
…俺も、見たい。
[これまでのように、隣にはいられないけど。]
お前が花を咲かせる姿、ずっと見たかった。 だからお前がこいつを咲かせてくれるなら…めちゃくちゃ、嬉しい。
(326) 2014/03/31(Mon) 00時半頃
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