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64 さよならのひとつまえ
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 01時頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 01時頃
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アリスちゃんは、全部捨てちゃうんだ?
[ちゃん付けをやめるつもりなどないし、何度蹴られてもそれは変わらない。 肩を竦められる(>>0:521)のは本日二度目。 いや、竦めさせたのは二度目、か。]
捨てる方がさ、難しいよね。
[物でも思いでも、なんでも。 苦笑している顔を見れば、なぜか自然と顔から笑みは抜け落ちた。 三白眼が真顔になれば見目麗しくないどころか、恐いものがある。 小さい頃からそう言われてきて、だからこそいつも笑顔を絶やさぬようにしていた表情が少しの間だけ。]
バカヤロ、呼び止めたのはオレですぅ。 謝られる必要とかありまっせ〜ん!
[すぐに笑顔に戻したけれど。]
(5) 2014/03/23(Sun) 01時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 01時半頃
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……――捨てちゃいけないもんまで、棄てんなよ?
[途切れた白辻の声に、優しい言葉でもかけられたならよかったのに。 もっといつものように、笑って冗談のひとつでも言えたならよかったのに。 大切なものまで捨ててしまうんじゃないかと、そんな気がしたのだ。 だからその言葉を告げた時、声も顔もいつものお調子者を作ることはできなかった。]
……、
ええ〜、アリスちゃんのいけず〜! 前面からいったらどうせ金的とかしてくるんでしょ!?
[吐かれた息と、いつも通りの悪態と。 だからこそ、いつもの調子で返した。 立ち上がり、向かうのは寮の外。]
(11) 2014/03/23(Sun) 02時頃
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[取捨選択、それが難しいのはよくわかっている。 どうしたいかを取れば思い出は枯れ、どうなりたいかを取れば夢は散る。 似ているようで否なるもの、両天秤にかかるクセにベクトルが逆を向いたもの。 人はそれを矛盾と呼び、それはずっと自分自身の心の中にもある。]
え〜、でもアリスちゃんはアリスちゃんだしぃ。 呼び方変えたくないしぃ。 あ、これオレの捨てたくないもののひとつね?
[背中には聞きなれた悪態じみた声と。 小さな、風に浚われそうな音。]
お?
[振り返ればもう遅い、走る背中が離れ行く。]
(19) 2014/03/23(Sun) 02時半頃
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……――ありがとう、ね。
[消えてしまった背に向けた表情など、誰にも知られなくていい。]
オレが捨てたくないだけさ。 まあ、………棄ててっちゃうだろうけどね。
[棄てるなと言いながら、きっと棄ててしまうであろう。 それを矛盾と呼ばなくてなんと呼ぶ。 一度目を伏せて、ゆっくりと振り向き背を向けた。]
(22) 2014/03/23(Sun) 02時半頃
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―寮室・4-K―
[コンビニではいつも食べるシーチキンマヨネーズのおにぎりを買った。 確か眠そうにしていた定良がお土産を希望していたのもあったし お花見がどうのとか聞いたこともあって、駄菓子をごっそりと買っておいた。 そして寮の部屋に帰った今、真っ先にやるのはシザーケースを引き出しに仕舞うことだ。]
お、本が減ってる。 なんか圧迫感ねぇなあ…。
[少しスッキリした部屋の中は、死の危険を薄れさせると共に惜別の気配をつれてくる。 寂しいと言うのはなにか癪だ。 荷物をおいて、しわくちゃなシーツの上に寝転がった。]
…くふふふふ。
[携帯を取り出して、カコカコと響かせるのは少しずつ珍しくなりだしたガラパゴスさんの鳴き声だ。]
(25) 2014/03/23(Sun) 03時頃
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…お…いだよん…
…
…みんなで…しよぜ…
…あんま…いてないけど…
…な…
…る…は…いもん…みもん…ち…りで…
…はこの…に…せよ…
…ふぉっふぉっふぉっ…
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お〜し、さて皆来てくれますかねえ?
[メールは一斉送信で送られる。 明日の花見の誘いに、どれほどが集まってくれるだろうか。 な〜、と話しかけたのは小さな猫の縫いぐるみ。 誰かの手作りらしい、昔自習室の隅で拾ったそれをつんと指でつついた。]
と、追加追加。
[また、カコカコと携帯が鳴る。]
(27) 2014/03/23(Sun) 03時頃
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…
…
…
ちあっちゃんは…もし…に…るなら…を…されたし…へ…
…でよ…だ…
…てるやつも…れずに…
ちあっちゃんも…れて…とるべ…
…
…
…
…な…は…かった…
…に…して…しくば…に…ってきた…でいいから…こして…
…こさなければ…こいつの…はないと…え…
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うし、完了。
[個人宛に送ったのは二件。 ひとつは明智宛で、もし明日来るならばカメラを持ってくるように促した。 単純なことだ、まだ残っているメンバーだけでもいい。 明智も入れた状態での集合写真が欲しかったのだ。
もう一通は同室者の小鳥谷に、帰ってきた時起こしてくれと。 本を人質にしたやや物騒なものを一件。]
人質、人質っと――…… ウギャヒーッ!!!!!
[築き上げられた本の要塞から一冊、人質代わりに拝借しようと引き抜けば。 バランスを保っていた分厚い壁は圧死させんと圧し掛かってきたのだ。
○○県○○市の男子寮にて、本の下より無惨な遺体が発見されました。 遺体は山本朔太郎さん、死因は圧死と見られ現在警察は原因解明に努めています。
そんな恐ろしいニュースはノーセンキューである。]
(32) 2014/03/23(Sun) 03時半頃
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…
…やべえ
…
それたぶん…の…だわ…
…に…り…んだら…ては…ろんの…が
…
…
…
…もちろん…
…
まあそんなところかな…うん
…なら…は…にないから…それでも…
…の…は…どうだ…
…と…く…ずらせば…の…が…くけど
…
…
…
…お…いだよん…
…
…かった…けとく
…
…きわめて…なのは…いつものことである…
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ぐぎ、ぎ、ぎぎ… 死んでしまう前に、い、遺書を…
[少しは片付いた本の雪崩だ、圧死することはないが。 丁度返信のあった紐井屋に犯人と凶器を書き残すメールを送った。 文章は途中で途切れてしまったが、それも本格ミステリぽくていいかもしれない。]
ぐ………、ツナ…、マヨ……――
[山本朔太郎、最期の台詞は食べられなかったおにぎりの名前。 静かに息を引き取る……はずもなく。 本の雪崩の下から、一冊の人質を掴んだ手だけが見えている。 ノックに返る返事はなく、紐井屋は第一発見者となるだろう。]
(38) 2014/03/23(Sun) 04時頃
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…
…
…お…いだよん…
…
…わないが…の…の…は…り…さない…がいいぞ
…の…が…まってるらしい
…めるっていえば…
…めてみたいな…と…ってみる…
うまか…が…べたいな
…
…
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 04時頃
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ぐ、ぐふ。 やだオレ死んじゃったのかな…ひもちんみたいな天使が迎えに来たよ…。 くそ、いいなイケメンは…羨ましいな…。 オレもイケメンに生まれたか っ ……――
[夢か幻か、いいえ現実です。 掘り出された手は怪我もなく無事であった、もちろん体もだ。 真っ先に手を心配してくれたであろうことを、まだ気付けずに。]
ふお?
[ぺちぺちと叩かれて漸く、少し目を覚ました。]
(42) 2014/03/23(Sun) 04時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 04時半頃
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やっだ、ソッチはスーパーマグナムでいつでも夜の綾取りっしょ?
[じょりじょりされると頭がむず痒い。 焦点もあっているし、いつもの調子で口も回る。 座らせれ、目の前でめくられる本を見ながら染々と頷いて見せた。]
ほんとね、これ減ってなかったら圧死してたわ、アッシ。 あ〜、寄贈ってのはちょっと違うんでねぇかな? ほらなんつうの、ヒロろんの分身みたいにさ。 皆に持っといてほしい、とか、かも?違うかも?
[寒いギャグなんぞをかましつつ、図書館寄贈の言葉を否定するのもまた本人ではない。 本の虫が蚤の市だなんて、何となくそんな気がしたのだ。]
冷やす、寒そうだな。
[痛くはないが確かに打っている形跡はある。 でも寒いしな、と重ねられる本から紐井屋へ視線を移した。]
(48) 2014/03/23(Sun) 05時頃
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とと、ちょいっとゴメンよ〜。
[ちらほらとリターンメールが届き始める。 紐井屋に一言告げればささっと返事を打ってしまう。 一つ一つ、そっけないメールに顔文字満載のメールは返っていく。]
(50) 2014/03/23(Sun) 05時頃
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…
…だぞ…
…
…だからな…
…なかったら…の…の…の…もう…ってやんないんだからね…
…
…なにそれ…
…
はい…り…こし…
…の…い…り…して…に…ってやる…
…いいねえ…
よぉし…でもっかい…しとく…
…ふぉっふぉっふぉっ…
…を…とお…いか…えよ…
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え〜、ひもちんマグナムでねぇの〜? ヒロろんなの!? うそ、そんな体に比例しない…!!!
[健全たる男子である、そういう話は嘘でも冗談でも大好きだ。]
どうっかね、オレがそうだったらいいなって思ってるだけかも? あっ、なんかちゃんと分けてたっぽいけど…積んどきゃいいべ!
[積まれていく本はジャンルかなにかで分けられていたはずだが、文学に疎い頭ではちんぷんかんぷんだ。 積んでおけば取りあえずは怒られまいと、見られた顔はへへっと笑った。]
だってまだ寒いじゃんかあ、桜も縮こまってるんだぜ〜? 朔ちゃんだって咲けません、ぷるぷるしちゃう。
[寒いが勝っているのか、指以外の皮膚が鈍感なのか。 頬にも痛みはさして感じなかったし、そこに伸びようとした指先に気付くことも出来なかった。]
(53) 2014/03/23(Sun) 05時半頃
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お、ひもちん指の心配してくれたん? やだもう優しいんだからぁ、色男っ♡
[かつかつとメールを打ちながら、ちらりとたまに顔を上げて視線を向ける。 長く伸びた髪、その髪に触れたことはない。 切ってくれと言われたこともなく、それはやはり少しの寂しさを覚えることであった。]
あ、メシならあるよ〜…っと言いたいけど。 ひもちんはちゃんと食わなきゃ、ガリちんになるべ? 食堂で大盛カレーでも食っといで!
[ひもちんも酷いがガリちんはもっと酷かろう、それがシモの話だとすればだが。 出ていくようなら引き止めはしない。]
ありがとね、ひもちん!
[代わりに救出の感謝と、明るい笑みで見送りの手はパタパタと振ろう。]
(54) 2014/03/23(Sun) 05時半頃
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[扉がしまるまで手を振って、紐井屋の足音が遠くなってからベッドに転がった。 ツナマヨの袋をバリバリと開けて、ベットの上でも構わず噛みつく。 海苔の欠片がパラパラと落ちた色を見て、半月前に毛先を整えた保元(>>16)の髪の色を思い出した。
髪を切らせてくれる人、切らせてくれない人。 触らせてくれる人、触られるのが苦手な人、触ることさえ出来ぬ人。
ここを出ていくまでにどれだけ残せるだろう。 本と違い、裁縫と違い。 散髪やセットなど、髪を洗えば髪が伸びれば、跡形もなくなってしまう。 そんな山本朔太郎の分身を。]
……くふ〜、ツナマヨうまし むにゃ むにゃ。
[本を一冊アイマスクがわりに顔に乗せて。 少しの間、ツナマヨと夢への逃避行へと洒落込むことにする**]
(55) 2014/03/23(Sun) 05時半頃
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ザックは、ティソ(定良)からはどんなメール返信が来るやら…むにゃり**
2014/03/23(Sun) 05時半頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 06時頃
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