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28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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― 103号室 ―
[自室に戻って、カチャリと鍵を締める。
直ぐにまた外へと出るつもりだったが、 これはもう癖となっていて。 締めないと不安になるのだから仕方が無い。
パタパタとメモ用紙の乗った卓に駆け寄って、 窓から温い風が入り込んで来たように感じた。
それは国谷が入って来たのではなく、 出て行った為に吹いたものだったのだけれど>>1:@54、]
国谷さん、……いるの?
[メモ用紙とペンを差し出して反応を待った。]
(3) 2013/09/05(Thu) 01時頃
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……。
[ペンは動かないし、温い風も吹かない。 掲げていた腕を下ろし、項垂れて苦笑を浮かべた。]
いいなぁ、立花さんは…… 国谷さんと直接お話できて。
[立花から受け取った伝言>>1:230に、 「ありがとう」と述べたのは沈んだ声色だった。]
せっかく伝えてくれたのに。
[食後に飲んだ、 しゅわしゅわ甘く弾けるラムネを思い出した。
走ることが好きだと言っていた彼女と、爽やかなイメージが重なる。]
(5) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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[可愛らしい彼女はきっと友達も多いのだろうなとか
そんなことを考えながら、 開いていた窓を抜け、縁側へと出て腰を下ろした。
そして耳にした。]
……だれ?
[聞いたことの無い声。
男性の声だったなら喜んだかもしれないが、 聞こえたのは女性を感じさせるもので>>1:#1 >>1:#2。]
(7) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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[庭に佇み、こちらをじぃと見据える三毛猫の姿を見つけ、]
こわ、す……? いや!………教えない。 壊すんでしょう?
[助けてと、懇願の視線を向ける。
「たいせつなもの」と言われてもぱっと思いつくものは無かった。
けれど記憶を越えた本能が、 「今のこの生活」を壊されたくないと願った。
失った過去は失ったまま、 心穏やかに過ごせる「今」が大切だと。]
(8) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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[無意識に震えだす身体を抱き締め、 まだ立っていられる脚をゆっくりと動かして室内へと戻る。
そして卓の横に座り込むと、 いやいやと、頭を左右に大きく振るたびに金髪が揺れた。
何が大切なのかも、 壊れたならどうなるのかもわからなかったけれど、
あの声は大きな黒い影と同じように、 ただただ不安と恐怖心を煽った。]
(9) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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― しばらくして・103号室 ―
[震えも落ち着き、冷静になって考える。 先ほどの声はなんだったのだろう、と。
声が聞こえたと思ったのに、姿は見えなかった。]
国谷さんと、……同じ?
[どうせ同じ幽霊であるなら、 国谷の声も聞こえればいいのにと、少し不満に思った。
「壊したい」
声を思い出せば、また直ぐに不安に呑み込まれてしまいそうで。
立花の伝言に反して、 メモ用紙とペンを掴んで部屋から飛び出した。]
(13) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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― 廊下 ―
[先程見たものを誰かに話したくて、 一人で抱えているのがとても不安で。]
国谷さん、立花さん……。
[国谷はメモ>>1:@54にあった通り、 買い物に出てていることを思い出して。
きょろきょろと辺りを見渡し、 先ほどの声が聞こえないように祈りながら2階への階段を昇った。
205号室の前に立ってドアをノックしたけれど、立花は不在だったようで。
途中、国谷の存在を報せる温い風に遭遇することもなく、 どうしよう、と途方に暮れた。]
(33) 2013/09/05(Thu) 02時半頃
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[諦めて階下へ降りようとして、はたと思いつく。]
先生に、……話してみようか。
[大学の先生をしていると聞いていたので、 専門外かもしれないけれど、部屋を訪ねてみることにした。]
……先生、103号室の白栖黎湖です。 ちょっと聞いて欲しいことが……。
[控えめなノックと共に、そう告げた。
返事があって承諾を得られたなら、 国谷のこと、先程聞いた声の事を話しただろう。
返事が無ければ、パタパタを焦りながら談話室へと駆け込んだ。**]
(34) 2013/09/05(Thu) 02時半頃
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― 202号室前 ―
[扉が開いて、 初見の顔が見えた>>39のでぺこりとお辞儀をした。 部屋の中へと招かれると、]
あ、はい。お邪魔します……。
[扉をパタンと締め、 ついいつもの癖でカチャリと鍵を掛けてしまった。]
(112) 2013/09/05(Thu) 22時半頃
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[チェーンを摘まみ上げたところではっとして、 カチャリと鍵を開け直す。
新居の部屋では、後に立花が続いたのでせずに済んだのだけれど。 変に思われたりしなかっただろうか。
これから話そうと思っていることもことなだけに、 おどおどと視線も泳いでしてしまう。
けれど、折角承諾してくれたのだ。
きちんと話さなければ、と視線を初見に縫い留めたところで 乱れた髪>>39に気付いた。]
(113) 2013/09/05(Thu) 22時半頃
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あ、もしかして眠って、ました……? ごめんなさい。
[謝罪をしながら促された通り座り、茶をいれてくれる姿に翠を向けた。
何から話すべきか頭の中で整理をしようとするが、 きっと上手くは出来なかっただろう。]
先生は、……幽霊っていると思いますか? 姿を見たり、声を聞いたり……とか。
[植頭の言う非現実的な話>>0:30を、 よりにも寄って大学の先生にしようと言うのだから、 切り出しはつい、目を伏せてしまった。
笑い飛ばされるだろうか。
けれど「子供の話だ」と上辺だけ頷かれるのも望んでいなかった。 だから、すっと視線を上げ、初見の両の目をしっかりと翠で捉えた。]
(114) 2013/09/05(Thu) 22時半頃
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私、今日初めて幽霊に会ったんです。
会ったと言っても、 見えも聞こえもしなかったけど。
窓が勝手に開いたり、珈琲カップが浮いて目の前に降りたり。 ペンが動いて、紙に文字を書いたり、
……自己紹介、してくれたり。
[国谷との初遭遇から、 見た現象をそのまま伝えた。
立花が声を聴くことが出来ることは、なんとなく伏せておいたけれど。]
(115) 2013/09/05(Thu) 22時半頃
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ただね…
…かを…じると…うのは…その…を…じる…を…じる…です…
…いっぱなしだと…も…じられなくなるから…
それだけは…を…けた…がいいですよ…
…
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