93 Once upon a time...
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
全て表示
|
[ぴーうぃ、っふぃー。 ぴーうぃ、っふー。ふぃろろろろろろ。
グリッサンドとトリルで小鳥のさえずりを真似てみる。側の木の上に止まった小鳥が、鳴くのをやめて辺りを見回し、首を傾げた。ペギーも構えた笛を下ろして、小鳥を見上げながら一緒に首をかしげてみる。
サーカスという非日常の空間が、彼女にとっての日常だった。 ここへ来てからというもの、毎日見るものすべてに目を輝かせ、公演前の緊張も、拍手喝采のどよめきも、打ち上げの喧騒も、時々起こる揉め事やちょっとしたアクシデントだって、そのすべてを彼女は愛していた。
この愛すべき非日常の日常が永遠に続くのだと、その時の彼女は、まだ無邪気に信じていた。]
(10) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
|
|
[向こうに、陽光を反射する脂ぎった禿頭が、見えた。 大きな体を揺すって歩くのは、彼女らの長、ヨアヒム氏。 ペギーはちぎれんばかりに、大きく手を振った。]
だんちょおーーーー! おはよございまーーーーーす!!
[それが団長を見た、最後だった。]
(16) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
|
|
[公演の日、サーカス団の朝は早い。 ペギーは前の晩、笛をぴかぴかに磨き上げて、ケースを抱きしめたまま眠っていた。遅くまで笛の手入れをしていたせいで、いつもなら誰よりも早く起きて練習も兼ねた散歩に出るペギーが、今日は少々、遅れを取った。
目覚めると、なんだか外が騒がしい。ペギーは眠い目をこすりながら、テントを出た。少し離れた場所に、小さな人だかりができている。]
ねー。どしたの。
[一番後ろにいた誰かの裾を、引っ張った。]
(51) 2014/10/10(Fri) 02時頃
|
なあ…
…が…が…を…うより…に…みにしてやるって…うんだ…
…はなんで…を…わなくちゃならないんだ…
…はそんなに…うまいのか…
…
なんで…おれは…
…
なんで…なんで…なんで…なんでっ…
…
|
[ああ、ちょっと…な。声をかけられた団員は言いよどんだ。隣の男と顔を見合わせ、困ったような顔をペギーに向ける。ペギーは大きなまばたきとともに、首を傾げた。不穏な空気は、さすがの彼女にも、察することができた。]
なに?けんか?
[団員たちには、彼女は完全に子供として取り扱われている。さて、その子供に、この事実をどう伝えたものか?男らは互いに肘で小突き合った。お前が言えよ、いやお前が、と、しばらくやりあった後、一人が頷き、意を決したような表情でペギーの目の高さまで、屈み込んだ。]
(75) 2014/10/10(Fri) 15時半頃
|
|
「実は――――」
(76) 2014/10/10(Fri) 15時半頃
|
|
だんちょー、しんだ? ………なんで?
[問いかけても、返ってくるのは困り顔ばかり。彼らにだって、はっきりとしたことはわからないのだ。殺された、という言葉は、敢えて避けた。背後のテントの中が、どうなっているのかについても、口を閉ざした。知らせることはない。団長は死んだ。それで十分すぎる。
「……公演は」「やるってさ」
彼らはペギーを見た。色味の薄い唇が、わずかに震える。]
もういない?
[沈痛な面持ちで、二人は頷くしかなかった。]
(89) 2014/10/10(Fri) 18時半頃
|
|
………う、
[大きな目から、涙がこぼれ落ちる。ペギーはその場にへたり込んだ。]
わああああん。 わあああああああん。
[彼女が声をあげて泣くのは、父親が彼女と笛を遺して行ってしまった時以来…つまり、ここへ来て初めて、だった。人目もはばからず涙を流ししゃくりあげるペギーに、男らは困惑し、周りの人々もぎょっとして振り返った。
彼女の愛した日常の中には、いつの間にか得体の知れない何かが音も立てずに忍び込んでいた。]
(90) 2014/10/10(Fri) 18時半頃
|
は…そんなにうまい…んだよ
…
…どもにはわからない…かもしれないけれどね
…
なんで…くの…
…
…なんにも…いことはしていないのに
…
かせたのが…しい…
…じゃあ…べちゃう…
…
…なんてね…ねぇ…そうだなぁ
…にはね…はどちらにも…えるよ
…の…も…の…も…どっちも…ってる
|
……ふえ、
[泣き声はやみ、ペギーはぐしゃぐしゃの顔のまま、目の前の人形少女を、見た。何か言おうとしたが、すぐには呼吸は整わない。]
ふえ、ふき、ます。
[手のひらでごしごし顔をこすって小さく頷き、短い単語を絞り出すのが精一杯だった。]
(143) 2014/10/10(Fri) 23時頃
|
わからない…なぁ
…にはあんまり…しそうには…えないけれど
…
…どっちに…える…
そうか…
…
おれは…は…おおかみだと…うよ…
きれいな…きれいなおおかみ…
…
|
ころされ、た?
[穏やかでない言葉に、しゃくりあげていた呼吸が一瞬、止まった。]
…………なんで?
[それしか、言葉は出てこない。 なぜ、なぜ。そればかりが、頭の中で渦を巻いていた。 ころされた。ころす、とは。
虫を殺す。鼠を殺す。 人は?]
……だれが?
(156) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
|
きれいな…おおかみかぁ
…しいな
…
…に…えて…に…しいよ
…
|
………うん。
[撫でられながら、ペギーは考える。 人形少女、エフェドラの言うことは、難しくてよくわからない。人が「殺される」とはどういうことなのか、ペギーにはイメージができなかった。起きてから今まで起こったことが、まだきちんと繋がっていない。
ふたつだけ、わかった。団長はもういない。「殺された」からだ。それから、さっきの団員は「公演は予定通り」と言った。彼女には他にすることがない。できることがない。ならば]
だいじょぶ、やります。
[俯いたまま、ペギーは答えた。 腹の底から絞り出すように、大きな声で。]
(165) 2014/10/11(Sat) 00時頃
|
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る