108 Persona外典−影の海・月の影−
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[じっとこちらを見ている彼の瞳を見詰め返した]
……立季さんは、帰りたい? 影の時、リツキさんはこっちで一緒にいようって言ったけど。 それはもしかして、立季さんの望みとは違ったのかな。
[彼の思惑を捉えた訳ではないけれど、 少女はその出題に何か違和感を覚えたようだった。 何故、この海で共に在る事を望んだ者が この海を出る方法を伝えようとするのだろう、――と]
……帰れるなら、皆を安心させてあげられる。 でも、立季さんがここにいたいなら。 私、立季さんが寂しいのはやだし。 さっきまでも、立季さんがいなくて寂しかったから。
(+35) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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私、ここにいるよ。
[そう告げた後、見上げる顔に不安がよぎる]
それとも。 「影の我侭」だったって、立季さん思ってる? 私は、いない方が良い……?
私は、いらない?
[甘い色をしたショコラブラウンが哀しげに揺れた**]
(+36) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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― 崇神病院 病室 ―
ぅぁあ!あ、……はっ……あ…… [呻き声を漏らし、ふと意識が目覚める。 先ほど受けたと感じた痛みは身体を固くさせるけれど、実際に傷は無く。 落ち着きなく周囲を見回す。]
ひな、みや……
[夢で見ていた彼の姿は見当たらず、僅かに安堵して深くベッドへ身体を委ねる。
「あら、気がつかれましたか?先生呼びますね」
遠く、看護師の声を聞きながら。 また意識は闇へと*飲まれる。*]
(+37) 2015/02/23(Mon) 13時頃
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[落ちる。
(だめ)
堕ちていく。
(まだ)
柔らかな闇に受け止められ、沈んでいく。
(伝えていないことがあるの)
動かなかった指。伸ばせなかった手。
(ありがとうって)
その目は何も映らない。光がないから。
( って) 手を伸ばす。]
(+38) 2015/02/23(Mon) 19時頃
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[「悪魔」のカードがくるりと回り「星」へと変わり、ふわりふわりと飛んでいく]
……どこいくの?
[それを追いかけて追いかけて、シャドウの海を進む。
そして、何かを求めるかのように手を伸ばし―]
(+39) 2015/02/23(Mon) 21時頃
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["何か"が手にあたり、それを掴んだだろう]
(+40) 2015/02/23(Mon) 21時半頃
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[伸ばした手>>+38に、何かが触れた気がして。 光を映さぬ目は、驚愕に見開く。 フラッシュバックするのは、神社で捕らえられた>>4:318時のこと。]
ぃやっ……!
[脅えた声は闇へ溶けて、消える。]
(+41) 2015/02/23(Mon) 23時頃
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[月は満ち欠けを繰り返す。 外界と繋がる時、それが唯一シャドウの海から潮が引く時。 波打ち際はきっと最もそれが顕著に感じられる場所なのだろう。
満ち引きは導きと似ている――]
(+42) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[>>+34問題の答えは正解。 しかし、彼女のリアクションは予想していたものとは違った。 >>+35思わぬ問い掛けに、立季は驚いたように目を見開く。 それからゆっくりと数度、瞬きをして。]
……僕は、帰れない。 翔子たちの身体はあっちにあるけど、 僕の身体は何処にもないから。 現実に戻ったとしても、……端的に言うなら、多分、 幽霊、みたいなものにしかなれないと思う。
でも、翔子は……ペルソナ使いの皆はそうじゃなくて、 精神さえ現実に戻れば、多分また元の生活に戻れる。 それに、僕は翔子のことをすごく心配してる人を知ってる。
(+43) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[立季は極力私情を挟まないように、説明口調を心掛けて話そうと試みる。 しかし、>>+36翔子の言葉を聞けば、それは容易く揺らいでしまう。考えるように、視線を辺りへ彷徨わせながら]
……影の欲望は、僕の欲望でもある。 ちょっと極端だったけど、影のやろうとしてたことは、 僕が心のどこかでずっと願ってたことで…… それは、影が僕になっても変わらない、っていうか……
……つまり、翔子の寂しさとか、苦しさとか、 そういうのを何とかしてあげたいって思ったり、 一緒にいたい、って思ったのも、僕の本当の気持ち。
(+44) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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でも……
[立季は、翔子と視線を合わせる。 片手で柔らかな頬をそっと撫で、目を細めた。] 翔子は現実に戻って、大人になることも出来る。 もしかしたら、現実の世界で、僕よりも翔子のことを 大切にしてくれる誰かが現れるかもしれない。 僕は、翔子の可能性を捨てさせたくないんだ。 このまま、ここに居続けることが、 翔子にとって良い事かどうかが分からない、 って言うべきかも知れない。
…………僕にとっては、その、 翔子がいてくれるのは、とても良い事だけど。
[最後の一言を付け足したのは、蛇足だったかもしれない。 少なくとも立季自身の考えを明かすには必要の無いものだ。 思いがけず漏らした言葉に、立季は困ったように笑った。]
(+45) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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帰れない……。 もう、魂の入る器がない……んだね。
[今度は少女の方が少年の表情>>+43を注視していた。 深い影を持つ者ほど本音を押し隠している。 この数ヶ月でそう学んでいたから]
私を心配してくれる人、私も知ってる。 その人はリツキさんと会う私を止めてくれた。 満月の前に会いに来てくれた人もいた。
私、確かに甘かったんだと思う。 でも、もしこうなるって解ってたとしても 私はあの日……あそこへ行った気がするの。
[少しの動揺>>+44、視線が彷徨う様を見詰める。 次に視線が合った時>>+45、 口許は穏やかな笑みを形作った]
(+46) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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私も、きっと一緒なんだよ。 寂しいのはもう嫌だった。 何処かへ逃げてしまいたかった。 でも、だから。 立季さん達の寂しさも解る気がしたの。 放っておきたくなかったの。
誰かを選んだら、他の誰かが悲しんじゃう。 でも、そこに私が選んだ事はちゃんとある。 他の誰かを悲しませない事を選んでたら、 私の月塞はきっともっと抵抗したよ。
月塞は抵抗できなかったんじゃない。 ……しなかったの。
[頬を撫でる手、その手首に触れる。 何かを確かめるように優しく両手で包み込んだ]
(+47) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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…………。 リツキさんのペルソナを見た時、すごく痛かった。 あの傷が、立季さんの傷に見えた。 手首から涙みたいに血を流して。 体中串刺しで。
私は……確かに大人になれるかもしれない。 でも、立季さんをここに置いて出て行ったら、 私はきっとずっと立季さんを忘れない。 それは、やっぱり寂しい……よ。
[影に先に出会えた事を、今なら嬉しく思う。 立季が口にしなかったであろう望みでも リツキは躊躇なく言葉にしてくれたから]
(+48) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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ね、一緒にいよう? ううん、一緒にいて。
立季さんの帰る場所がないなら。 私の体を半分あげる。 そうすれば、ずっと一緒にいられるよ。 もう2度と、寂しくなる事なんてない。
[少女には珍しくはっきりと言い募って。 それから少し自分の言葉を恥じたように俯く]
……我侭、かな。
(+49) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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[びくびくと揺れる瞼、震える喉。 緩急をつけて繰り返される恐怖。 それでも願いは変わらない。 僅かな灯火に>>+39に、漸く闇は光を点す。]
ぁ……
[引き上げられる感覚。 上げられたのは身体か、心か。 時間の概念もおそらくは無い。闇には、何も。]
……さっくん?
[ぽつり、呟く。]
(+50) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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でも……
[記憶は時間と共に薄れるものだ。 或いは、現実に戻ればここでのことは忘れるかも知れない。 ここは、人の世界とは異なる場所だ。 必ずしも記憶を持ち越せるのかも分からない。
>>+48言葉で言いくるめることは、恐らくそう難しくない。 しかし、>>+47触れる手の感触に、立季は口を閉ざした。 >>+49掛けられる言葉が、何処までも優しくて。]
(+51) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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[暗闇の中。 仰向けのまま漸く視界を得て、巡理は周囲を見回す。 そこには誰かの姿が見えたであろうか。
わからない。
けれども何か。 小さくて、弱くて。 今にも消えてしまいそうな
アカリが、見えて。
ゆっくりと身を起こして、歩き出す。 コールタールの様に粘着く黒に足を捕られながらも歩を進める。
行かなくちゃ、いけない気がした。 そこに、何かがある気がして。]
(+52) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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…………我儘じゃないよ。
願いをちゃんと口にするのは、大事なことだと思う。 僕はそれが出来なくて……駄目になったから。 僕もちゃんと、翔子みたいに思ってることを言えたら、 もっと、何かが変わってたのかもしれない。
[今度は立季が、自らの両手で翔子の手を包み込む。]
……一緒に帰ろう、翔子。 身体の半分もらう、って、どうなるか分からないし、 出来るのかも分からないけど…… 実践、してみないと分からないし、ね。
[自らの存在ごと影に与え、全てを放棄した自分にどれだけの価値があるのかを、立季は理解できずにいた。 このまま影に沈み、海の波が引けばそれと共に消える。 その運命を受け入れるつもりでいたけれど――。]
翔子が望んでくれるなら、頑張ってみる。
(+53) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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[目指した光は、小さく弱く、儚いもの。 肌の表面を撫で覆い尽くすような黒へ膝をついて、海蛍の様に小さく青く光るものを両手ですくいあげる。 指の隙間からどろりと零れ落ちる闇の海を流れるままに落として。 現れたそれは、小さな船。 指先で船倉に詰まった闇をかき出せば、小さな灯火は姿を現す。]
……妖精さん?
[どこか懐かしいような、見覚えがある感覚を不思議に思いつつもスカートの上に乗せて闇をはらっていく。]
(+54) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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……。
[小さな小さなその光を持つものを膝に乗せたまま、船の闇をはらっていく。 綺麗な水はないから、ところどころ闇はこびりついたままだけれど。造りのシンプルな船は幾分か綺麗になって。それも膝の上において、小さな光を持つものを船に乗せてみる。]
だ。いじょうぶじゃ、ないよねぇ。 ……、ええと。
[おわんを持つように船を包み込む。 どこか、暖めるように。 やがて船はゆっくりとどこかへと飛び立っていく。]
(+55) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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[ペルソナ使いは万能ではない。 だから、叶う事もあれば叶わない事もある。 どのような結末が待っているかは解らない。
罰が下るならそれは業だと思える。 手を伸ばさなかった事を 後から悔いるよりずっと良い]
……ありがとう。
[包み込まれた手が心地良い。 小さな微笑みが口の端に灯る。 少し安堵したように目を細めた]
(+56) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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駄目だったら、神様に怒られたって思えるから。 それなら諦められるかなって。 勿論、諦めたくなんかないけど。
シャドウが消えなかったら。 その時はここで、ずっと一緒。 ここから出られる時も……できたら、一緒。
[寂しさに気づいてくれた。 形は歪でも救ってくれようとしていた。 だから、寂しさに気づきたい、できれば救いたい。
願いは心の形にも現れる。 波打ち際にいつの間にか佇んでいた月塞は、 緋色に染まっていた瞳を蜜色に緩めて少しだけ、笑った]
(+57) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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[ざざり、と脚を濡らす水嵩が変化する。 波に押されて思わずたたらを踏んだ]
……っ。 どうしたんだろ、すごく海が、荒れて……。
[海がその水を何処かに吸い取られているような>>199。 そんな不自然な水の動きに思わず立季の手を強く握る]
(+58) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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[過ぎ去っていく船をぼんやりと見送って。 行き場などどこにも無く。 目指す場所も、無くて。
揺れる闇の海の中、そこに*座ったまま。*]
(+59) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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神様に怒られたと思う、か。 ……非現実的だけど、悪くないね。 二人でなら、怒られるのも半分で済みそうだし。
[>>+57現時点で、精神は現実から切り離された――いわば、死んだも同然。 ならば、これ以上状態が悪くなることは無いだろう。 分が悪いどころか、勝率も全く見えない。 賢い賭けでないことは言うまでもないが、そもそも賭けなければ何も始まらない。
物語は一度、終幕を迎えた。 なら、新しく始めることも出来る筈だ。]
……君も、ごめん。痛い思いをさせちゃったね。
[立季は月塞の姿を見て、そう口にした。]
(+60) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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[>>+58波が荒れる。 しかしこれは、満月の夜であるが故のものとは少し異なるように、立季には思えた。 影は戻り、シャドウとしての立季は既に存在しない。 しかし、影の知識は未だ立季の中に残っている。]
もしかしたら、片をつける気なのかも知れない。 ……しっかり捕まってて。
[波打ち際が現実へと近づく。 それはまさに、シャドウの海が現実を飲み込まんとしていることの証左だ。立季は強く、翔子の手を握り返した。
現実が波に飲まれれば、海にたゆたう自分達の精神も、恐らく無事では済まないだろう。しかし――。]
絶対、離さないから。
[それだけは、きっぱりと言い切った。**]
(+61) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[月塞は言葉をかけられた事に軽く目を見張った後、 ゆるゆると首を横に振る。 シャン、と手にした錫杖が綺麗な音を奏でた]
大丈夫、気にしないで……だって。
[恣意に揺り動かされた海、足許をシャドウが何匹も流れていく。 彼に身を寄せるようにしてこくりと頷いた。 繋ぎ合った手が心強い]
……ここに来てない皆は。 シャドウと戦ってる、のかな。
[何も力になれなかった事だけがちくりと痛む。 いいや、責められても仕方のない事だ。 自分が人々ではなく特定の1人を救いたいと願った事は 変えられないし、変えるつもりもない]
(+62) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[こんな闇の世界にまで落ちる選択をしたのだから。 この手だけは決して離すまい。 傍らに立つ少年を見上げて凛と表情を引き締める]
私も、離れない。絶対に――。
(+63) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[荒れるシャドウの海の瀬で2人は互いに手を取り合う。
揺れる重い波の狭間を青白く光るものが漂った>>+55。 それを目に留めた月塞が音もなく水を蹴る。 淡い月の光を纏いながら海面を一本歯の高下駄が渡っていく。
波間に座り込んだ少女の前>>+59で、 黒い子天狗は膝を折るとそっと手を差し出した**]
(+64) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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