28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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盗難は、ありません、でした。
[繰り返す。 物盗りの仕業でないことを、確認するように。]
…──放っておいて、いいんでしょうか……。
[これはまだ、すこし、心配そうに。]
わたしは、まだ、いいんですけど 他の、女の子の部屋だったら、 やっぱりちょっと、まずいんじゃないでしょうか……?
[浮かぶ顔。
一人、二人。]
(125) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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何か、わたしに出来ることは───
[気色悪がってはいないだろうか。 怖がってはいないだろうか。
守ってあげたいと思う心は、見た目とは違う。 男の、もの。]
(126) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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信じても信じなくてもいいですよ。 ただ、怖がらなくてもいいんじゃないかな、とは 思っています。
[初見は妖怪さんを紹介してくれようとしていたのかも 知れないが、生憎私には見えなくて残念だった。 彼が紹介してくれようとしたものが悪いモノの筈はない。 それに今迄困った事もない]
(127) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[空いているお皿を探して、手許に引き寄せながら かくり、かくりと首を傾ぐ病沢>>105を窺う。
先程の今、懸念をゼロに巻き戻すことなど出来ないから。
如何したら、問う声に、ジャニス>>108に視線を戻す。 脳裏を過ぎるのは、今日の、以前から聞こえていた国谷の声。 日課の後には、精が出るね、と掛けてくれた声。]
あの、その、認識したのは、今日が初めてです。が。 おはようからおやすみまで、あの、挨拶を。
[その行為も、誰かの歯車を狂わせているのだとしたら。 "知らないこと"の多さに不安を覚え、伏せられた表情を斜め下から見上げるのに、表情も曇ります。]
………壊された、者。 もし、そうなら、あの声は悲しくて、
[悲しくて、怒っている、その先が言えずに尻窄み。]
(128) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[壊したがる女の亡霊。荒ぶる御霊を打ち払ったり、鎮めることまではできても、心通わすことは、自分には難しい。 助力を願って頭を下げれば、何故か「駄目です」と声が聞こえて>>94、きょとりと瞬いて顔を上げる。 ぶんぶんと、力いっぱいに頭を振る立花に、そっと首傾げて]
お互い様、ですか。
[懸命に紡がれる言葉に、口許緩める。このアパートでは何度か聞いた言葉なれど、それが自分に向けられるとは。 契約で結ぶ関係を越えるための言葉。ありがとう、と。キッチンへ向かう背にそっと声をかけて]
(129) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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何者、ですか。ただの、胡散臭い占い師。 祓い屋とか、拝み屋とか呼ぶ方もいらっしゃいます。
[新居の問い>>95に、敢えてはぐらかすこともなく。 あの亡霊をなんとかするとなった以上、依頼主のひとりとなった新居には、このまま隠していてもやりづらい]
何を、ですか。そうですねぇ、
[逡巡するように眼差しを少し上に流せば、言葉を継ぐように病沢の声>>110。 先ほど頭を下げた時は視線を逸らしていた彼が、それでもぽつりぽつり、できることを探して、それを言葉にする]
ならば、僕はそのお手伝いをしましょう。
[人間だから、という病沢の言葉に、目を細めて頷いて]
(130) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[ふいに、ジャケットの内側で携帯電話が震えた。 皆に視線で断ってからそれを取り出すと、ディスプレイに表示されるのは「管理人」の文字。入居の際に連絡先は伝えてあるから、それ自体は不思議ではないが。 立ち上がり、部屋の窓際へと寄って通話を取る]
……はい、ギャレットです。
[このタイミングで、さて、なんの御用だろうか]
(131) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[ジャニスに掛けた携帯への応答はない。 携帯を耳に当てたまま、ぽり、と頬を掻く。]
寝てんのか?
……部屋、行ってみるか。
[一旦視線をジャニスの部屋の窓へ向け、また三毛猫へと──]
っち。
[三毛猫は、その一瞬で屋根から姿を消していた。]
(132) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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えー、やだ! 俺はまだやることがあるの!
[>>119 宝生の誘いに首を振る。 首を振り、たんと床を蹴れば一陣の風。 病沢の部屋の前にキャットフードの箱を置いて、国谷は逃走を開始した。
ちなみに、箱が宙を遠ざかっていくのが見えたことだろう]
(@29) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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/* すごく綺麗なすれ違いを見た。 どんまい!
(-39) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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ただね。 誰かを信じると言うのは、その人を信じる自分を信じる事です。 疑いっぱなしだと自分も信じられなくなるから。 それだけは気を付けた方がいいですよ。
[真剣に相談してくれているのだろうが。 からかっている様に聞こえたら、と少しだけ 長生きしている者からのアドバイスを乗せた]
(=11) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[ 白栖君>>112が部屋に入るのを確認して、私は室内へと視線を向ける。二度似たような音>>113が耳に入り一瞬だけ視線を向けると、どうも白栖君の様子がおかしい。はて、何か問題でもあっただろうか。こちらから声をかけようとしたところで、眠っていたという言葉>>114が聞こえ、目を瞬かせる。白栖君は超能力者か何かだろうか。そこまで考えたところで、彼女の視線が頭上へ向かっているのに気づき、私は誤魔化すように頭を撫でつけた。]
いや、構わないよ。 ……時間はある。ゆっくり、話しなさい。
[ 否定も肯定もせず、口の中で言葉を組み立てているような白栖君へと声をかけ、私は緑茶の用意をする。何とも今日は、湯呑が活躍する日だ。薬缶で湯を沸かし、急須を蒸らし、湯呑に若草色の花が咲いた頃、彼女が話し出したのだったか。 幽霊と言う言葉、数時間前の私なら、それは勘違いの為せる業だと一笑に付していたかもしれない。けれど実際に見聞きしたという事実が、私の考えを一転させていた。白栖君の前に湯呑を置くと、茶柱が揺れている。ふむ、悪くない。]
(133) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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あまり、こういった現象について言い切るのは、私は是としないのだけれど……。 感じ方は人それぞれだからね。それを邪魔しちゃならない。 ……けれど君は、答えを欲しているようだから。
[ 真剣な瞳>>114が私を捉える。普段はどちらかというとおどおどしているような印象を受けたが、それよりずっといい。翠の瞳が日の光に反射して、まるで宝石のようだと思った。ず、と音を立てて茶を啜る。]
どうも私はそういう幽霊の類が見えるらしい。 先程も一人の青年と共に茶を楽しんだところだよ。 だから「いる」というのが、私が君に贈る答えかな。
[ そこで私は湯呑を置くと、眼鏡を指の背で押し上げる。あまり交流があると言う訳でもない私に尋ねに来るとは、どういうことなのだろう。やはり少し、興味が湧く。]
私からも質問をいいかな。 君はそれを知って、どうしたいんだい?
(134) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[他の女性陣を心配する越智>>125の優しさに]
私から見ればあなたも充分守ってあげなければいけない お嬢さんですけどね。
[苦笑しながら、 他の人の身の危険なんて考えて無かったとまた頭を掻いた]
正直妖怪さんが悪い子としているようには 思ってなかったんですけどね。
[危機感がすっぽり抜け落ちていたのは認めて]
確かに何かあってからでは遅いですしね。
[何があるのか私でも今一つ判らないのだが]
(135) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2013/09/05(Thu) 23時頃
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[それから、新居>>95の問う声は 勝手知らないキッチンに潜り込む前に、耳に届いて。 一文字に唇を引き結んで、ととと、短い距離を駆けます。
答える声は、聞こえる声は、もう途切れ途切れ。
病沢>>110の配慮を知ってか知らずか 蛇口の水を捻って、洗剤でスポンジを泡立てて、そんな細かい生活音で会話は耳から遠ざかってゆくのです。これがもし、聞こえていたら、詮無い話。]
(136) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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同年代の越智さんなら相談しやすいかもしれないね。
話を聞いてもらう。 共感、共有して貰えるだけでも嬉しいんじゃないかな。
[職場の女性たちの受け売り。 同じ女性で、同じ年齢だったら何か違ったのだろうか]
(137) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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怒ってるの?
[蛇口の吐き出す水音に紛れて、猫>>#0 が、鳴いてる。 泡立てた洗剤がシャボン玉飛ばす。ふわふわ。]
(=12) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[子供の時から通っていた本屋のお姉さん。
月に1度お小遣いを握りしめて逢いに行っていた。
「ありがとう」「またね」
それだけしか交わした事の無い名付ける事も出来ない会話。
だが楽しみで。
その女性が本屋から消えたのはいつだったか。
漸く次のお小遣いを貰って向かった本屋にいたのは 白髪混じりの男の人。
彼の人は後ろに見える茶の間の写真の中にいた]
(=13) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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………………ん。
[>>130否定を、されなかった。 一音限りの小さな頷きが孕む感情は多く、ひとつひとつを言葉にすることは彼には難しい。ただ、至って分かりやすいひとつを挙げるなら、それは喜びだ。 ゆっくりと時間をかけてスープを全て胃の中に収め、空になったスープボウルをテーブルに置く。 >>131ジャニスの視線の意図を察すれば、空いた両手で三角に折り曲げた膝を抱えて、顔を隠すように額を膝にくっつけて。 ゆらり、ゆらりと身体が左右に揺れ、唇がほんの微かに動いた。
自分の足の間に出来た小さな暗闇。そこに一言だけ置いていく。]
(138) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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あ り、が とう。 [聞き取るには難しい、小さな小さな、囁き。]
(=14) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[淡い初恋と気付くのは随分後。
学生時代は暗く、勉強は出来たが 大学に進むほどの金も無く就職へ。
何人かの女性と付き合いもしたが、 どうしても視線は本屋の彼女を探して上の空だった。
もっと彼女達と真剣に話をしていれば何か違っただろうか。 彼女達が悩み、悲しんでいる時に真剣に話を聞いてあげれば。
悔恨はいつも波の去った後に刻まれる。
だから越智に話す言葉は本当は私自身に必要だとも判っていた]
(=15) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[諦めて通話を終了しようとした時、コールが途切れて通話口から声が聞こえた。>>131]
フランクだ。 ……仕事の依頼だ。
[名を名乗った直後に、前置きもなく切り出す。]
鎮めを、頼めるか?
取り憑いてる猫から引き剥がして、一時的に力を削ぐだけで、いい。
(139) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[本と珈琲だけを友としていたが。 もう少し誰かと距離を縮める努力をしても良いのではと。
灰猫を抱きしめた事。 宝生の猫におやつをあげた事。 妖怪の話を真剣にする事。
私にとっては随分頑張っている日だと思っていた]
(=16) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[競技場のビジョン、本当は続きがある。
本当は見えていたゴール。 片膝を地面に着けて、待った、空砲の合図。
決勝戦、響き渡る合図、両隣の子が走り出す。 怒号のように唸る歓声のなかで、あたしの足は動かなかった。]
(=17) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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何で?
(-40) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[外の騒動を聞きつけたか、或いは>>@29がさりと鳴ったキャットフードの音に気付いたか。簡素なベッドの上で丸まって眠っていた「ネコ」は、ぴくりと耳を動かした。 気だるそうに顔を持ち上げて、ひらりと音も無くベッドから飛び降りて、扉の向こうの喧騒に耳を傾ける。
「ネコ」にとっては、誰がどんな存在かなど、どうでもよい話だ。美味しいご飯と心地良い寝床、それだけあれば何も問題は無い。]
………なーう。
[扉の前で、訛りのある声で鳴く。 向こう側にある餌を要求する。]
(140) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[台所に籠もる前の話。
駄目だ、とジャニス>>129に告げるのは 自分の中では一本細く筋が通っていたが、伝わったかは、表情を確かめるに怪しい。それでも首は左右に揺れるのです。]
お互い様、ですよ。 そ、そうしたら、返せるものが、出来て。 素敵です。
[有難う、と告げることばまでは聞き届けて。 首を左右に振ったのは、否定ではなくて、 投げ返しがちな礼を受け取る為のワンクッション。]
(141) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[>>127植頭の言葉は、難しい。
誰かを信じるということは 自分を信じることでもあると言う。
己を信じるということを まだそこまで真剣に考えたことのない裕には 実感を伴わない本の上の言葉のようにも聞こえる。
けれど、まるで可愛らしいもののように 妖怪を語る植頭の発想を、裕は好きだと思った。 そんな感性を持つ植頭が、可愛らしいと思った。
植頭の助言を、覚えておこうと思った。]
───はい。
[真っ直ぐな瞳で植頭の目を見つめ、頷く。]
(142) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[その試合は、男の負けだった。
その試合を境に、男と対戦相手は、二度と試合に出ることはなかった。]
(=18) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[夢中だったから、何があったか、男にははっきりわからなかった。 ただ誰にもわかる結末は、男の技を受け損ねたことがきっかけで対戦相手は膝を故障し、もう柔道ができなくなったということだった。
トレーナーや親や妹達は止めたが、男もまた、柔道をやめた。]
(=19) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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