78 わかば荘の薔薇色の日常
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[入居してから、今まで、一番変わっていないのが薫であるように思う。 入ってすぐ、見た目に反して作る菓子は甘く、見た目も繊細で可愛らしいというギャップに驚いたが、それでも、他の住人の誰より落ち着きがあって、裏表のない誠実な男だという印象に変化はない。
三十路も曲がり角を過ぎて、女っ気一つない事が気掛かりの種だったが、もうそろそろ、薫にも気になる女の一人や二人いるだろうと、勝手な想像を巡らせて煙を吐き出した。]
(371) 2014/07/01(Tue) 21時頃
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(進もある意味変わらんな……)
[二階のベランダから降って来た大声に顔を上げて、上からでは見えにくいウッドデッキの屋根の下で小さく溜息をつく。 引き篭もりのゲームオタク。 入居当時から、あいつはああだった。]
(でもやっぱ、あいつも変わったな──)
[ココ数日、外に出る頻度が増えた。──とか、そういう事じゃなくて。初めて会った時の進は、ちょっと、他の人間とは次元が違う所──主に二次元的な意味で──から、遠巻きにこっちを見ているような、謎の距離感を感じていたから。]
(372) 2014/07/01(Tue) 21時頃
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[それが昨日は、肉を焼いたり、酒の輪に加わったり──率先して、人と関わろうとしていたように見えたし、何より、花火を振り回して、翔平と顔突き合わせて笑い合ってる様子は、歳相応の、いや──歳以上に子供っぽくて、今まで抑えていたエネルギーが一気に表に湧きだして来たようにも見えた。]
(進はこれからどんどん良くなるな。世の中の全部が全部気に入らなくて、誰も信じられないって顔してた徹が、今じゃ誰よりまるくなったみたいに。 そのうち進も、誰かの心を救ってやったりすんのかね──)
(373) 2014/07/01(Tue) 21時頃
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[>>237座りっぱなしの薫の元に、來夏が近づいて行って、何か話し掛けている。 気になって見ていたら、どこに潜んでいたのか、斑の毛並みの猫が繁みから姿を現した。 離れた所からでも、ふてぶてしい顔つきと太めの身体つきで、近くの墓に住み着いて時々わかば荘の住人に餌をたかっている猫だという事がわかる。
猫が來夏の膝から肩へ、当たり前のように飛び乗るのを見て、フランクはぽかんと目を丸くし、うっかり烟草の灰をウッドデッキに落としてしまった。]
(なんだよ猫……。どういう基準だよ……。昔は女にしか懐かない現金な奴だと思ってたが……。ついにお前も男に宗旨変えしたか?)
(374) 2014/07/01(Tue) 21時頃
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(來夏は猫に好かれるのか。根が素直──なのかな。いや、それじゃ薫が好かれない理由がねえか。んー……?)
[來夏が猫を抱いていた時間は短いが、ぐにゃぐにゃした身体の動物を当たり前に抱き上げて移動して行く姿は、なんだか頼もしい。
三年前、それまでの人生を、良い事も悪い事も含めて全部吐き出して、一緒に溜まっていた感情まで吐き出すようにわんわん泣いていた來夏とは別人のようだ。]
(そういやあん時、俺は話をただ聞いて、頷いてただけだが──、まぁ、話を聞くだけで人は楽になるって言うしな。俺が直接何かして変わった──ってのは、今いる中じゃ、來夏だけかもしんねぇな……。)
[だからか、フランクは、來夏が慕ってくれるからという以上に、來夏の事を気に掛けている。]
(まだまだ、あいつも堅さが取りきれてねーが、それも少しずつ、変わって来てる。)
(375) 2014/07/01(Tue) 21時頃
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[フランクの視線が、ハーブの繁みを向く。]
(俺もお前も幸せもんだな? 親兄弟より近くで、こんなキラキラした奴らの成長を見る事が出来るんだからさ──)
(376) 2014/07/01(Tue) 21時頃
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フランクは、旨そうに烟草を吸い終えると、ひっそりと管理人室に引っ込んだ。
2014/07/01(Tue) 21時半頃
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[今は昼休みの時間だけど、仕事中はメールを見ない人だから返信があるとしたら夜だろうか]
…言ってもーたわ……
[さっそくじわりと目元が緩んで、慌ててタオルで押さえた。早まったかな、とも思う。でも言いたかった 誰かに。大事な人に、本人に言えないのなら、せめて]
(377) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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― 207号室前 ―
[扉の前で少しばかり立ち止まったまま。
それからゆっくりとノックする。 何時ものように3回]
瑛士、いるか?
[声をかけて、扉が開くのを待った。
ポケットから、瑛士が忘れていった煙草を取り出し。 扉が開けば変わらぬ笑顔を見せて]
昨日の忘れ物だ、ほら。
(378) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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/* あとは攻太と徳仁と瑛士と夏一と麻央(と翔平と遊)
平太は済
(-164) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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/* 攻太は過去描写ないからいいか……。
徳仁と瑛士はぜひ拾いたい。 明日だ。明日やる。
(-165) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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/* 夏一はどう……色々反応してくれてはいるんだけど割と誰よりも大人びてるし部屋に入り込むのもな。 行けば反応してくれるとは思うんだが。
(-166) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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はっ!? …お、おるけどちょお待って!
[ものすごいタイミングで徳仁の声が聞こえて、今日何度目かの大声をあげてしまった 心臓に悪すぎる。 昨日が珍しい日なら今日はびっくりデーか
慌てて鏡で目元をチェックした。だいぶ時間もたったし、大丈夫だろうと確認してから扉を開ける]
お、おはようさん…ああ、わざわざ 持ってきてくれたん、だ?ありがとう
[差し出されたのは、部屋に置き忘れてきた煙草だった。出かけるついでに行くつもりだったのに
差し出された箱を、慎重に受け取った うっかり指が徳仁に、触れないように]
(379) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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/* そういえば來夏が懐いてるのが、フランクと遊と平太っていう、2/3がはなです。状態なのが申し訳なく……w
(-167) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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/*お前らもっとさあ! もっとさあ!!! (妖精は観戦タイム)
(-168) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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[中から聞こえてきた大声に、驚いたように瞬く。 タイミングが悪かっただろうかと首をひねって。
なにやらどたばた感が伝わってくるが、気にしてもしかたない]
おはよう、っていうにはもう昼だけどなー。 ああ、これは屋上に行くついでだし。
どういたしまして。
[出迎えた瑛士の目元がいつもと違う気もしたが、 それは口に出すことはなく。
触らないようにと気をつけている様子に、瑛士の髪へと伸ばしかけた手は下がって]
(380) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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/* >>375 これ見てちょっと泣いてるしスペアリブのオレンジバルサミコ煮うまいし
(-169) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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…せ、せやね。俺もこれから昼飯食いに出よう 思うてて…
屋上?これから行くん?
[確か外はまだ雨が降っている。 こんな天気の時に何のようだろう?と首を傾げる
いつも通りに見える徳仁に負けないように、"いつも通り"の顔を作ろうとすればするほど、緊張でぎこちない風になってしまう気がする "顔が赤くならない方法"は、まだ検索していなかった]
(381) 2014/07/01(Tue) 21時半頃
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[いつもどおりを心がけてはいるが天気のことがすっぽ抜ける程度には何時も通りではないらしい。 首をかしげる様子に、そういえば雨が降っていたかと思い]
……雨をながめにいこうかと。
[苦しいいいわけを、気紛れだと言い張るようにごくごく普通の口調で答えた。 緊張している様子は、やはり昨日の今日だから、そう簡単に"なかったこと"にはならないかと思い]
外に食べにいくのか、雨だし気をつけて行けよ。
[ぽん、と肩をたたいて、それじゃ、と離れようとする。 いつもどおりと思えば余計ぎこちなくなりそうで、 それだと瑛士に負担をかけそうだと思い。
いっそ雨にぬれて頭を冷やすか、と思う。 徹のように振舞うにはまだまだらしい]
(382) 2014/07/01(Tue) 22時頃
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─ 狩生堂 ─
──… ──… ──…
──…?
──…あ、 いらっしゃいませ。 買い取り希望ですか?
[雨のせいか、曜日のせいか、 店を訪れる人の数はいつも以上に少なかい。
夕方近くになって、 一人の女性客が段ボール一箱分の写真集を抱え 細腕をぷるぷるさせながら無言でレジ前に立っていた。]
2014/07/01(Tue) 22時頃
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[遊がこの日
いらっしゃいませ、と ありがとうございました、を
口にしたのはこれが三度目で 同時にこれが最後となった──かもしれない。]
2014/07/01(Tue) 22時頃
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…はあ…そっか……
[それなら部屋からでも談話室からでも見られると思うのだけど。絵の仕事の参考にでもするのだろうか。 その割に傘を持っていないのに気づいて]
…待って!これ、使うて。俺のはちゃんとあるから 今日冷えるし、徳仁さんこそ気つけてや
[ぽんと肩を叩かれても、震えはしなかった。むしろ元気が湧いた気がして、玄関先の傘を差し出す 今、徳仁に風邪を引かれたら困る。天露を看病した時よりずっとテンパってしまいそうだ]
(383) 2014/07/01(Tue) 22時頃
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─ 狩生堂 ─
──… ──… ──…
──…?
──…あ、 いらっしゃいませ。 買い取り希望ですか?
[雨のせいか、曜日のせいか、 店を訪れる人の数はいつも以上に少ない。
夕方近くになって、 一人の女性客が段ボール一箱分の写真集を抱え 細腕をぷるぷるさせながら無言でレジ前に立っていた。]
(384) 2014/07/01(Tue) 22時頃
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[遊がこの日
いらっしゃいませ、と ありがとうございました、を
口にしたのはこれが三度目で 同時にこれが最後となった──かもしれない。]
(385) 2014/07/01(Tue) 22時頃
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/* なにかが始まりそうで始まらない。
そんなエピソード。
(-170) 2014/07/01(Tue) 22時頃
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[屋上へ行くとか、ただの口実で実際に行くつもりはなかっただとか。 心配して傘を貸してくれる瑛士に言えるわけもなく]
あー、いくら他にあるっていっても。 返したものを受け取ったりする手間がな。
[髪をかいて悩む。 心配してくれているのはわかるからむげに断るのも難しく。
次の口実にもなりそうだとか、そんなことも脳裏によぎって]
ま、せっかく瑛士が心配してくれてるわけだし。 ありがたく借りとくか。
[差し出された傘を受け取る。 煙草のときと同じように、その手が触れ合うことはなく]
瑛士こそ、外行くなら、風邪引かないようにな。
(386) 2014/07/01(Tue) 22時頃
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[差し出した傘を、素直に受け取ってもらえてほっとした。当然口実だなんて気づくはずもなく。もし濡れた時のためにタオルまで渡そうかと考えて …さすがにそれは止めておいた]
そのまま屋上に置いててもええよ 止んだらこっちで回収するし
(俺は雨の中でも普通に傘差して屋上行くし)
[最後の一言はまだ内緒なことなので飲み込んで。これが次に会う口実になるなんてことまで考えが及ばず、ちょうどええわ、くらいに返した
風邪ひかないように、の言葉には笑顔で応えて]
い、…や、なんでもない すぐには帰らんから、もし何か買うてきて 欲しいもんがあったらメールして
[言いかけた言葉を飲み込んで、ほな、と手を振った]
(387) 2014/07/01(Tue) 22時半頃
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[自分が既にいっぱいいっぱいなので、徳仁もいつもと少し違うのには気づかなかった 傘を受け取る時に、指が触れないように気をつけてくれたことも
今から本屋で、徳仁の絵の載った本や雑誌を 探しに行くのだけど ペンネームは教えてもらえないのかな
ご飯はもう食べたのかな。元気かな
…ごめんね。 俺は"なかったこと"になんで、できそうにないよ
訊きたいけど訊けない 言いたいけど言えないことが頭を巡る]
(=205) 2014/07/01(Tue) 22時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2014/07/01(Tue) 22時半頃
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さすがに放置するのはな。 まあ、ありがたく借りとく。
[屋上放置には肩をすくめるだけでどうするとは応えず。 ありがとうと笑みを向けて]
ああ……じゃあ何か思いついたらメールするわ。
[何か言いかけた様子にじっと視線を向けるものの。 続いた言葉に了解と頷き。
借りた傘を持った手を軽く挙げて屋上へと向かう]
(388) 2014/07/01(Tue) 22時半頃
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―→談話室――
[二階廊下での時間を過ごした後は、 自分の足でまた階段踏みしめゆっくりと階下へ。
自室へ戻ろうかとも思ったが、 雨の庭を眺めながら唐揚げ食べようかと。 しばし部屋に置き去った 勇者・徹津が与えてくれた唐揚げを取ってから談話室へ。
昼過ぎ、まだまだ晴れる気配のない雨空。
窓外眺めつつ入った談話室には誰か居ただろうか。]
(389) 2014/07/01(Tue) 22時半頃
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[絵でつかっているペンネームを教えているのは徹ぐらいだったか。 他は気づかれて、問いかけられたら応えるけれど。
瑛士が緊張している様子に、もう少し時間が必要か、とは思う。 "告白"を"なかったこと"にしているけれど。 やはりすぐに忘れろというほうが無理だろう。
なにか言いかけてはやめる様子に、無理に聞き出したくもあるし。 無理させたくないとも思う。
傘を返したら、しばらくの間、取材旅行とでも言ってどっか出かけるのもありかと思う]
(=206) 2014/07/01(Tue) 22時半頃
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