108 Persona外典−影の海・月の影−
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―満月の翌日の黄昏時・崇神神社―
[あかりが崇神神社の麓に着いたときには、既に黄昏時。 夕陽の残光は失われ、夜の帳に包まれはじめた神域の石段を、息を切らせて駆け上がる]
――……。
[社殿の前に立ち尽くし、あかりは言葉を失った。
巡理、五郎、馨一。
傷つき倒れた仲間たち。 石畳や玉砂利は乱れ、砕け、血に汚れ――激しい戦いがあったことを示していた]
(9) 2015/02/22(Sun) 19時頃
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……ひどい。
[巡理の顔色はまるで、死人のように蒼白。 傍らに膝をつき、おそるおそる震える手を伸ばすと、 彼女の身体から熱は失われていたが、鼓動はまだ残っていた]
花咲さん、起きて。 こんなところで寝たら、風邪ひくよ。
[小さく体を揺さぶっても、反応はない]
(10) 2015/02/22(Sun) 19時頃
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賀来くん、秋山さん、しっかりして、――何があったの!? リツキくんにやられたの?
[仲間達に呼びかけても、応える声はなく そして、この場に幼馴染の姿がないことに気付く]
……律っちゃん、ねえ、どこにいるの? 返事してよ!!
[あかりの声に返るものはない。 あるのはただ、夜の静寂だけだった]
(11) 2015/02/22(Sun) 19時頃
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―満月の夜・高屋敷家裏山>>4:416>>4:417―
へえ……そこに気づくとは流石だな。 そうとも、自分が嫌いなら自分が変わるしかない。正しいよ。 それができなかったかのは、高屋敷真弓の弱さだったんだな。
まあ、でも僕の方もやりたい事があってね。 世界の方に少々干渉させてもらうことにした。 この世界がシャドウの海とつながったら、こちらにシャドウが溢れ出すんだ。シャドウの世界には人間を縛るルールなんかはない。 もっと楽しくなるよ。そう思わないかな。
……思わないんだろうな、君は。 やっぱり、君には消えてもらわないといけな…
(12) 2015/02/22(Sun) 19時半頃
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[銀の円盤、フー・ファイターを差し向けようとした手が止まる。あかりの前に現れたのは、闇色をした少女。シャドウかと思ったが]
ペルソナ?………シャドウにも見えるけれど、それは…
[手が止まる。その仮面の奥の顔について理解するのにそう時間は要さなかった]
なるほど。なるほどね。花河あかり、君は自分の弱さを克服したんだね? ……いいだろう、もう君の前で余裕ぶっているのはやめる事にした。……消えろ!!
[黄金色の雷が槍となって降りかかってくる。銀盤を一つ貫いたところを、別の銀盤が横から狙い撃つ。4機の円盤が旋回し、次々に降りかかってくる雷を相殺し、撃ち落とし、あかり自身に光の鉄槌をくだすべく迎撃する。狙い撃つ。迎え撃つ。その金と銀の光の応酬は、ずいぶん長い時間に及んだ――――]
(13) 2015/02/22(Sun) 19時半頃
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[―――やがて、はっと意識を目覚めさせる。目の前に倒れ伏した真弓の姿。満月の夜はすでに終わっていた。夜が白み始めている。銀の光を飛び交わせていたペルソナは、すでに5機とも、全て撃ち落されて消えていた。もっとも、精神の力だけで言うならあかりの方が大分消耗はしていたのだろうけれど]
……一瞬意識が飛んでいたみたいだ。 だけど参ったな…今から手にかけて後始末なんかやってる時間はないぞ。下手をすると一時しのぎのせいで、後後余計面倒なことになる。
………忌々しいけれど、次に回すしかないか。
[周辺の木々に手をついて立ち上がる。家に帰るべく泥のついた普段着のまま、高屋敷家へと戻って行った。
その日は、図書館には真弓は出勤してこなかった]
(14) 2015/02/22(Sun) 19時半頃
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─満月の夜・高屋敷家付近─
[夜のなか、シャドウを避けて言われた家へ向かう。 そんなときに見えたのが、空に浮かぶ光る円盤。 光を放つそれを、雷の槍が貫き落とす。 とっさに、木の影に隠れた。 息を整えながら、バレないように、近付いていった。]
先……輩?
[ペルソナのような、黒い少女を操るのは紛れもなく先輩。 様々な疑問が浮かんでは消える。 やがて、夜明けが訪れた。]
(15) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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[夜明けと共に、ゆっくりと倒れ出すあかりに駆け寄る。]
先輩!?先輩!
[返事はあっただろうか。 とにかく、安全な場所に運ばないと。 そう思って、彼女のマンションへ、背負ってゆっくりと歩き出した。
彼女が意識を取り戻す前に、ベッドへ寝かせることはできただろうか。]
(16) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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─自分の部屋─
[あかりを運ぶと、いたたまれなくなって逃げ帰るように帰路に着いた。 彼女が戦ったときに、私は、戦えなかった。 怖くて、震えていた。
それは、シャドウや円盤にだけではない。 叫び戦うあかりにも、恐怖してしまった。
そんなとき、あかりから着信が訪れる。 メールの内容は、すぐにのみ込めた。 返信には、大いに迷って、こう返した。]
(17) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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------------------------------------------------ From:楠 明 To:花河先輩 件名:Re:緊急
ごめんなさい。 私が、戦うべきだったのに。 事情は、把握しました。 ------------------------------------------------
(18) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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……っ。
[胸の奥が、苦しい。 裂けるような、感覚がする。 罪悪感からなのだろうか。 なにか、なにか、もっとどす黒いものが。]
(19) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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―自宅―
はい、館長。申し訳ないですが、風邪をひいてしまいました。 今日は有休で病欠させてもらいます。ひょっとしたら明日も休ませてもらうかも… ええ、大丈夫です。ちゃんと病院には行きますから。皆さんにもご迷惑をおかけしますとお伝えください。それでは。
[職場に連絡を取った真弓はパジャマ姿のままベッドに横たわっていた。バッテリー切れのように睡魔が襲ってくる。]
体の節々が痛む……が、消耗はそう酷くないな。多分明日にはよくなるだろう。 ……それより、立季の声が聞こえてこない。
(20) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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[念のためメールで連絡も取ったが、返信が返ってくる様子はなかった。]
雛宮にも一応状況を伝えておかなければ。 ………どうやら、次が仕掛けどころのようだ。
[それだけ決めて終わると、真弓はしばしシャドウの海のような暗黒のまどろみの中で揺蕩うことにした。次に目覚めたのはその日の夜近くだった]
(21) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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花河あかりに面が割れた。すまない、仕留めそこなったみたいだ。 前よりもかなりペルソナが強くなっているようだから注意したほうがいい。 次は何とかする。
(*0) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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[ゆらりと影が動く。 その時を待っていたかのように。]
……やっとかな、また出てこれた。 楽しくやりましょう。 ……シャドウのおにーさんたち?
(*1) 2015/02/22(Sun) 20時半頃
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お兄さん?
[自分も入っているのだろうかと一瞬真面目に考え込んだ]
まあいいか。楽しい事は良い事だしね。 君も好きにやってくれればいいと思うよ。
(*2) 2015/02/22(Sun) 20時半頃
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ふふ、ありがとう。
まずは、楠 明の希望を潰す。 そうすれば、名前のない私も、漸く楠 明になれる。
ああ、体はよく、馴染んだよ。 満月でなくとも動けそうだ。
(*3) 2015/02/22(Sun) 20時半頃
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/* 予定よりも鵺を引っ張り過ぎてしまいました。 この後、鬼(茨木童子)を出して、土蜘蛛、鵺との平安妖怪オールスターズ完成後、最終ペルソナ八幡神降臨。
間に合うかなあ……。
(-2) 2015/02/22(Sun) 21時頃
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―満月・祟神神社― [夜明けと共に花咲巡理の影を飲み込んだ黒い潮が引いていく、 残念ながらこの地域は人口密度は高くないが――、一度現界化したシャドウの海は周辺にただならぬ影響を齎すだろう]
さあ、今日はここまでだ。 憎悪か憤怒か、絶望か無力感か、 ――君達のこころの悲鳴は影の力になる。
怒りに身を任せてしまえばいい。
[自らの心の影に飲まれろ、とそれは呪詛のような言葉だったか。 聞こえていたかは知らない、そんな一言を残して影は社を去って行った]
(22) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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へえ、彼女、ペルソナまた使えるようになったんだ。 そうだな…、でも無力じゃないほうがいい。 無力なものは足掻くこともできない。
抗った結果どうにもならないとしって、 より深い絶望が訪れるのだからね。
(*4) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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[満月の赤い時間が終わり、再び海は静寂に包まれる。 懐かれてしまったのだろうか、 あるいは縁のある人物の影なのか。 相変わらず数匹のシャドウを身にへばりつかせたまま]
また次の満月まで。 海は眠るのね。
[たゆたう闇を見渡した]
……――。
[不定形の黒い影が1匹、足許から胸へと這い上がってくる。 それを何度か撫でてから抱き締めた。 呟いた名前は影に埋もれて消える]
(+3) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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楠明の希望?
大塚マヤのことかな? 彼を君がどうにかするつもりなのかな。
(*5) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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― 病院 ―
[彼が目覚めたのは病院に搬送されてから12時間程経ってから。 真っ先に目に入ったのは見知らぬ天井。]
ぁ……。
[声を出そうとしたけどもかすれていた。 体を起こそうとしたけども、背に、左腕に、激痛が走り叶わない。]
っ……ぁ……。
[荒い呼吸で痛みを逃せば、傍ら、知らぬ女性の声がする。 目線だけ動かせば看護婦の姿。
やっと、ここは病院なんだと認識をした。]
(23) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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[ゆっくりと満月の夜の出来事を思い出す。
壁を作ろうとしたものの、先に焼かれた痛みがその邪魔をし、体が傾ぐ。 振るわれた剣に>>4:390、飛び散った黒い闇>>4:399に、 秋山が地面へと倒れ伏し>>4:398、花咲も崩れ落ちる>>4:407。] く……。
[やわらかな光を感じたけども、やがて雛宮の言葉>>22を聞きながら意識は遠のいて……。]
(24) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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[いつの間にか消えていたペルソナが戻ってきた頃>>+2には、満月の赤い時間は終わったようだ]
……、また、静かになった。
[静寂に戻った海で闇を眺める]
また、誰か、この闇に沈んでやってくるのかな。
できたら、そんなことがなければいいのに。
[闇に沈むことはシャドウにやられたということで。 個人的にはそれは嫌だななんて思いながら]
(+4) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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/* 段々シャドウと仲良くし始める。
巡理さんは素村だったね。 人犬はそしたら誰だろう。
(-3) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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ねぇ、ルシファー。 大丈夫だよね?
みんな、無事だよね?
[「悪魔」のアルカナをくるりと回しながら、そう呟いた。 みんな無事だといいなと思いながら―]
(+5) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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……水嵩、増えてるみたい。 シャドウに食べられちゃった人、沢山。
でも、誰も応えない。 応えられないの、かな。
[こうして意識を保っている方が稀有なのか。 明らかにシャドウの犠牲者となった人々の無意識は この海に流れ込んできているはずなのに]
(+6) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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―図書館― [読んでいた詩集の頁をはらりとめくる。 思索はたゆたう影の海に遊んでいたから、手遊びのようなものだ。 その後神社には帰っていないが、 実家以外にも中央部に“父”名義のマンションがある。
東地区からの通学が不便だったからだ、 雛宮律は結局ろくに学校に通わなかったけれど]
彼らはあかりに、 どんな風に伝えてくれるのかな?
[その様相を見られないことが、少し残念そうではあった]
(25) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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[たくさん人がシャドウに食べられたようで>>+6]
なんでだろうね?
[シャドウに倒れたものの無意識はここに流れているはずなのに]
そういえば、俺達がきた頃、先客見えなかったね。 誰も応えられないのはなんでだろう?
誰か応えてもいいのに。
[疑問に思ってそう呟いた]
俺や、翔子ちゃんは"特別"なのかな?
(+7) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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