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21 ─明日も、薔薇の木の下で。
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Mi fa piacere stare con te. ……Tu per me sei tutto.
(君と共に居たい) (君が俺のすべてなんだ)
[囁く言葉は、随分と切なく響いた。 歌がなくてもいいから、そばにいて。そんな気持ちを込めて
大袈裟な包帯を巻き終わった彼の手が、巻き毛を弄って少しくすぐったい。
この気持ちはエゴだろうか。エゴ、なんだろうなあ。 すり、と。温もりのある手にすりよりながら、思う。
ハロルドの視線には、少しだけ照れたように、哀しげに笑った]
(150) 2013/08/10(Sat) 16時半頃
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[違うベッドで眠るユリウスは、いったいいつから寝ているのだっけ。 少なくとも、昨日は寝ていた。
そう思うと、眠たげなサミュエルへの不安が増して、そっと手を撫でる]
……内緒のお話、ですか?
[>>148ハロルドに声をかけられて、名残惜しげにサミュエルの手を離す。 小柄な後輩に首を傾ぐも、彼の雰囲気に、何か大切なことなのだろうと察して
椅子から立ち上がる。 腹の痛みは、随分と軽減していた]
(151) 2013/08/10(Sat) 16時半頃
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[その痕を見るのは、多分、三回目だ。 アーネと、フィリップと、そして、今]
サミュさん……に?
[こてり。首を傾いで。 思い出すのは、サミュエルの話したユリウスの倒れる前の話。
点と点が、すっと繋がるのが近いと感じた]
……お聞き、します。
[こっくり頷いて、彼の後に続く。 眠る人々を順々に見て
嫌な予感に、眉をしかめた]
(154) 2013/08/10(Sat) 17時頃
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―ハロルドたちの部屋―
リューさん。
[出迎えてくれた赤い鳥に手を伸ばし、くしくしとその首をかく。 心地よさげなリュシカに、少しだけ困ったように微笑んだ。 お返しのようにこちらの指を軽く啄む彼の嘴から逃れ、ぽふりとベッドに腰掛ける]
……ハルさん。 それで、その傷は……
[フィリップの手にもあった、引っ掻き傷のような。 アーネストの手にもあった、何かの痕のような。 その傷を、指差す]
……薔薇の?
[学園に広がる馬鹿げたお伽噺を口にして こてり、首を傾いだ]
(157) 2013/08/10(Sat) 18時頃
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……アーネ?
[つ、と。目を細める。 手を組み換える。巻き毛を弄る。
腹が痛い、気がした。 多分、気のせいだ]
……会ったこと、ないのですか?
[ああ、そうか。学年が違ったら名前なんて知らないよな。 思いながら、穏やかに微笑んだ]
ふうん。
[宿主が変えられない、ということは。 その薔薇が、この香りや赤薔薇の異常に何かしら深い関係があるのかも、しれない。
だからといって、どうしようというわけでもないけども。 ただ、あいつも厄介なことに巻き込まれるなあ、と可笑しくなった]
(165) 2013/08/10(Sat) 19時頃
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……わかりました。 教えてくれて、ありがとう、ございます。
[腰をあげる。
どうしようというわけでもないけども。 と、扉を潜るときに、もう一度思う。
どうしようというわけでもないけども、もしも。 もしも、サミュエルに何かあったら。
……俺がする行動なんて、予測するまでもない。
そう思えば、また。 警告のように、殴られた場所が痛んだ。
自嘲の笑みが、部屋にひとつだけ、落ちる]
2013/08/10(Sat) 19時頃
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……わかりました。 教えてくれて、ありがとう、ございます。
[どうしようというわけでもないけども。 と、もう一度思った。
どうしようというわけでもないけども、もしも。 もしも、サミュエルに何かあったら。
……俺がする行動なんて、予測するまでもない。
そう思えば、また。 警告のように、殴られた場所が痛んだ。
自嘲の笑みが、部屋にひとつだけ、落ちる]
(166) 2013/08/10(Sat) 19時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/10(Sat) 19時頃
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[その話もサミュエルから聞いたのかと、尋ねてみたりしたあと。
医務室へ戻れば、サミュエルの姿はなく。 眉を寄せて、彼が眠り続けることのなかった安堵と、消えたことへと心配に複雑な顔。
自分の包帯がほどけかけていたことに気が付いて、ほどいてみる。 ざっくりと裂けた傷は、見てしまうと余計痛く思えた]
っ、……ぐ
[ガーゼを剥がし、清潔なものに変える。 痛みで顔を歪めれば、唇についた傷が痛んで。 思いっきり舌打ちしてやりたくなる。
ついでに腹を見てみる。 痛い痛いと思っていたら、うっすら内出血していた。
今度こそ、舌打ちした]
(169) 2013/08/10(Sat) 19時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/10(Sat) 19時半頃
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/* あのね。俺はね。 隙あらば怪我しまくる癖をなんとかしたほうがいい。 しかも主に自傷で。
(-72) 2013/08/10(Sat) 19時半頃
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……うわ
[医務室の扉が開いて、視線をやって 露骨に嫌そうな声が漏れた。
意識が逸れたせいで巻いてる途中の包帯が弛んで、眉を寄せる。 ふい、と彼から視線を逸らしたのは、言うべきことがないから、だ。 きっと、多分。
彼を無視したまま、また包帯と格闘を続ける。 その手が小さく震えてたことに気が付いて、一人眉のシワを深くした]
(175) 2013/08/10(Sat) 21時頃
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……起きないのではありませんか。
[呟きに、つい反応してしまった。 唇の傷を乾いた舌で舐め、少しでも癒そうとする。
学園のお伽噺では、確か。 そんな話だったはずだ。 まだ日常会話も覚束なかったころ、図書室にこもって字の勉強がてら、そんな学園のお伽噺も読み漁っていた]
……っ、
[また包帯へと意識を集中させたとき、声をかけられて小さく肩が跳ねる。 怯えた小動物のような、反応]
……傷、悪化させないのなら?
[それでも、浮かべるのはあの嫌な笑みで
温厚と陰湿がなんの矛盾もなく同居する精神が、自分でも可笑しかった]
(179) 2013/08/10(Sat) 21時頃
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……それでは、お言葉に甘えて
[二者択一を迫る口調に眉を寄せ、包帯を差し出す。 非常に不本意だが、さすがに片手だけで包帯を楽々巻けるほど器用ではない。 というか、口を使えば幾らか楽だろうに、出来ずに難儀してるのはこいつのせいなのだが。
硝子でざっくり切った傷は、いまだに生々しい。 多分、少し乱暴に扱ったらまた出血するだろう。 薄ピンクの断面が見えて、自分の腕から目を逸らした]
……また、独りなのですか?
[沈黙を恐れて、質問を口にする。 学園での彼は、お人好しで誰かの助けになってる姿しか印象にない。 だから、独りで彷徨く姿は少しばかり珍しかった]
(183) 2013/08/10(Sat) 22時頃
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