人狼議事

108 Persona外典−影の海・月の影−


重ね合せ猫のユニタリ変換 (村建て人)


人間は動くことも認識することもできない時間。時計も動かないし、携帯の通話もできなくなる。崇神市は異界と化していた。その中で動くことができるのは、あの青い部屋を見たことのある人間だけ。

しかし大きな変化はもう一つあった。

駅の周辺で随分長引いた残業の帰りだろうか、帰りを待つ若いスーツ姿の男が駅の構内に立っている。見える者ならば、その後ろに、白黒の縞模様で彩られた、長い舌を出した球体のクリーチャーが近づいていくのがわかっただろう。

そのクリーチャーが長い舌でくっきりと浮き上がった影を舐めとると、スーツ姿の男の影が吸い取られて消える。代わりにクリーチャーが男の影を得て、見る間にスーツ姿の男と寸分違わぬ姿になる。
そして影を奪われた男の方は、いつの間にか実体が消え、影だけの存在に成り果てていたのだった。やがては影自身が、別のクリーチャー……文字通りの「シャドウ」と化すのだろう。

(#1) 2015/02/14(Sat) 09時半頃


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