[窓を開く軋む音。スリッパを履いて歩いているらしい。>>*63
微かに聞こえる潮騒と、鳥の声。
目を閉じて、彼がどんな場所にいるのか想像してみながら。]
ほんとかな、もう寝坊しても起こしてやれないし。
ああでも…緊張はちょっとわかるかも。
これまで、こうして電話することなかったし。
[瞼を上げる。駅の屋根の向こう、見える空。
寮から見えた景色とは違うそれは、これからもっと変わっていく。まだ見たことのない空へ。]
ん。忙しいって言っても片づけはとっくに終わってたし。
あっちに着くまではすることもないし。
成斗の方が、新居の片づけで忙しいだろ。
俺も声聞きたかったからさ。
……見送り、ありがと。
[わがままだとは思っていない。
こうして声が聞けて嬉しいのは自分も同じだから。自然と声が柔らかくなった。]
(*64) SUZU 2014/04/06(Sun) 22時半頃