[先に借りる形となったユニットバスの狭い浴室。
もう少しガッツがあれば、一緒に入るかなどと軽口を叩いただろう。
それが出来ぬほどには、消耗していて。]
………っ、はー……
[頭から浴びる湯に、息を、長く吐き出す。
無茶苦茶やりやがってあの野郎、だの、久々だって言っただろ、だの。
“共演者”への文句は、そのまま排水溝へと流れて消える。
身体の妙な気怠さは抜けず、後で改めて自室の風呂に入ろうと誓う。
掌で石鹸を泡立て、体中にこびり付いた何やら、何やら、何やらを洗い落とす。
髪を洗い終えて蛇口を閉めれば、当然のように用意されているバスタオルで体を拭った。
元のように下着とジーンズを履き、肩からはタオルを下げた格好でベッドサイドに戻る。
「空いたぞ」とベッドで待つホレストに指さし、自分もベッドサイドに腰かける。]
……腰痛ェ……
[背を丸めながら、低く零した。
弁当から紅一点が消失したことにはまだ、気付いていない。]
(@188) 2014/06/10(Tue) 21時半頃