やるんなら首んトコ、力入れてな。
アレ、結構簡単に溢れるから
[まさかJJが自らの身を想像しているとは露知らず、向けるのは緋本への実体験を伴ったアドバイス。
“盃”が酒を受け止める姿勢を取り終えれば、琥珀色の液体が細い糸のように降りていく。
とろりとした色のそれが肌を伝い、筋肉の凹凸に沿って流れ、窪みに溜まっていく。
唇を舌が舐めたのは、殆ど無意識。
片手に持ったカップに手酌で注げば、アルコールの甘い香が立ち上る。
盃に誘われ、呼ばれた瓜生や、自らが口にした鎖骨酒を実践するJJとを見ながら口に含めば、成程これはこれでなかなかに趣があると思う。
熟成されたアップル・ブランデー。
口内に満ちた林檎の香りを楽しんでいれば、そのうちに鼓動の音が自らに届きだす。
40度程の酒と聞いていた。意識を飛ばさぬ程度に楽しむ事ができれば、と思って いたの だけ れ ]
…………、
[カップから口は離れる。
プラスチックのカップはそのまま指先から落ち、床で音をたてる。
回った酒に微かに目元を赤め、彷徨わせた視線は椅子に腰掛ける姿>>*29で止まる。
そちらへと歩み出す足取りは、纏う雰囲気の割にはしっかりとしていた。]
(@131) 2014/06/12(Thu) 09時頃