そりゃ、今日この瞬間のために来たって言っても、ウソにならなねェし?
[そっとビリヤードの台の上にキューを置き、両の手を開ける。
抱きしめたまま、唇を合わせたまま、少しずつ体重をかけていけば、その台の方へと近付いていくかたちになるだろう。
其処に体重を預けるよう、口には出さず、促した。
差し入れた舌は、口内を探る。
抱きしめていた腕を解き、掌でその両耳を覆う。
逃げ場を失った水音は、きっと、その頭蓋に反響して。]
そんながっつかねェでも平気よ?……いくらでもくれやるって、
[茶化すようにそう声をかければ、何度目かの口付けを。
顎骨を伝った指先は、喉の中央線を一度撫でる。
緩まったタイの結び目に人差し指が触れれば、その結び目をくぐり抜け、その下の釦に触れた。]
スーツ着てる奴とヤるの、すげェ久々、
……着たままでしてェけどな、……全部脱がないと、忘れられない?
[問いながら、1つ、2つと、慣れた指先は釦を外していく。]
(@96) 2014/06/08(Sun) 00時半頃