― 空き室 ―
[さて、あーんで食べてもらおう。
リクエストを聞いておきながら、勝手に真っ先にスプーンをさしいれるのは桃のゼリー。
薄いピンク色の艶やかな白桃が半分まるごと、透明なゼリーを纏って器に盛られている。
柔らかい果肉を裂いて一口大、掬い上げると口元へ差し出した]
熱には桃っしょ、くらうんさん?
あ、っと、俺はね
聞いた時ある?『ダンディピクシー』ってバーで店子やってたジェニファーなんだけどー
[プライベートな話題を口にしてもいいものか、少しの間だけくらうんを見て続ける]
あんたの作るフードメニューが美味いって、お噂はかねがね?くら──クラノキさんだっけ。
系列のカフェバーに移っちゃったって聞いたけど、俺も食べてみたかったなー
[改装の影響で戻って来ているとは知らず、適当に話題を提供しながらスプーンを口へ入れた。はい、あーん]
(@37) 2014/06/14(Sat) 12時半頃