>>-672
[フィリップの表情が綻んだことに、内心安堵のため息をこぼしていたら、次に紡がれた言葉に、目を見開いて]
本当か。ずっとそばにいてくれる──
[そこまで言葉にしたところで、唇を奪われた。瞳は自然と閉じられて、いきなりのことで倒れそうになる身体を、なんとか起こして、彼からのキスを受け止める。
ついては離れついては離れを繰り返す唇は、常に重なり合うことを求めていて。唇が離れた瞬間、一瞬だけ目を見開き、拒まれなければ今度は自分から、彼の唇へと重ね合わせる。貪るように啄むように、何度も何度もじっくりと堪能して。
キスの瞬間、空を舞った両の手を、彼の背中へと回して、力強く抱きしめる。わずかに開いた視線の先、彼はどんな表情をしているだろう。
──やっと捕まえた俺の妖精。もう手放してなんかやらないから覚悟しろよ。
食して一つになることは不可能だとしても、こうして重なり合うことができるなら、もう、それだけでいい]
(-678) JITA 2013/09/02(Mon) 02時半頃