>>-638
[挙げられた悲鳴も、乱れた呼吸も、何もかもが愛おしくて。
もしフィリップの瞳にまだ涙が浮かんでいて、それに気づいたなら、噛み跡を撫でつつも瞳を伏せて]
俺はもう既におかしくなってるんだろうな。たとえ痛くなくても、こんな跡付けてまで、お前をそばに置いておきたいって思ってるんだから。
[フィリップの顔が伏せられると悲しくなって、愚かしいまでの独占欲に溺れた獣は悟る。心からこみ上げてくるのは、ただただ彼への愛情でしかないことを。
その感情に気づいたら、彼の伏せられた顔を両の手で包んで、ゆっくりと上を向かせる。彼の身体が熱を帯びているのを感じないくらい、自分の身体も緊張から火照っていて]
でも、こんな馬鹿な俺だけどさ──お前のこと本当に好きだから、ずっと、俺のそばにいてほしいんだ。
[見つめる先の彼の顔はどのような表情だろうか。たとえ、どんな顔をしていても、彼から視線を逸らすことはなかったが]
(-664) JITA 2013/09/02(Mon) 01時半頃