>>-354 マユミさん
[穏やかな笑みは絶やさぬまま、さらりと柔らかな髪の感触の残った指先を名残惜しむように軽く握り。]
ハハ、お相手次第でしょうなァ。
私の納得できるような素敵な方が、その時マユミさんの隣にいれば良いのですが。
──いえ、やはり言ってしまうかも知れませんね。
どんなに素敵なお相手でも、あなたにマユミさんはあげられないと。
まるで覚悟ができていないのは私の方かも知れません。
大人になったあなたを、ちゃんと送り出すことができるでしょうか。
[できていないのは、マユミを送り出す覚悟ではなく、マユミの父となる覚悟。
父になりきれない自分に、彼女の選ぶ未来に文句を付ける権利があるものだろうかと躊躇いながら。
できれば──エリとフィリップに説教をする時、マユミと二人、エリの父と母のようにして並んで座っている未来があればいいと。
そんな思いには、まだ見て見ぬふりを。]
(-369) pure_g 2014/10/08(Wed) 22時頃