腹へった、今日なんもくってねぇ!
[ブルーシートの上でじたばたと手足を動かせば、花見の終わり際に渡された大量のツナマヨに手があたった。
11個もあると思われがちだが、明日の昼までにはなくなっているだろう。
小熊には天体観測はここですることを告げて、こちらからも礼を言った。
代わりに受け取ったおにぎりのひとつを横たわったまま口に挟む。]
オレぎりぎりまでここにいるから、天体観測行っていいぞ?
寒いし、風邪引くべよ。
[ポケットの缶珈琲、線香花火。
白辻が残っているならそう告げてごろりと空を見上げる。]
まあ、居るならなんか温かいもん買ってくんべ。
なゆたんにもお金もらっちったし。
[もらった硬貨、弾かれた100円玉の銀色に目を細め。
その指が咲かせる花を、白辻が見ていると気付くこともないままに笑顔を返した。
気付いていなかったから、笑って返せたのかもしれない。]
(612) 2014/03/27(Thu) 00時頃