[ああ、女子がもう居ない時期でよかったな。
そんなどうでもいいことを思いながら思い切り足を振り上げて、談話室の扉に回し蹴りを放った。
派手な音。
壊れず耐えてくれたけれどミシって鳴った扉。
静まり返った室内。
こちらを見るいくつもの目。驚愕。呆然。
微笑みながら扉を開いて。ゆっくりと彼らに近づいていき。
おもむろに足を上げて、彼らが陣取っていた机を、上に載った応急セットごと蹴り飛ばした。
向こう側に座っていたやつが、机に巻き込まれて大きな音を立てながら床へ倒れる。体温計が壊れないといい。あれは地味に値段が張るから弁償するのは勘弁だ。
手前に居たやつの髪を無造作に掴む。
ゆっくり顔を見まわして、群れの頭を探す。あいつだ。机に潰されて倒れたやつ。白のマーチンがそいつの鎖骨辺りに踵を付ける。体重を徐々にかけていき。きれいに微笑んで、覗き込む]
─────いいこにできるよな?
[無造作に掴んでいた誰かの頭を手放す。体重を戻して。
この部屋片付けておいて、と言葉を置いて談話室を去った*]
(408) 2014/03/28(Fri) 20時半頃