>>235
[ただ、その本人は、マスクのせいか、浮かない顔のように見えたが、実家に帰らないで…という言葉に、瞬いた。]
実家に帰らないことが好きなこと?
[ぱちくり。
そのあと、黙って、すっかり慣れているらしい猫の喉を一匹、撫でながら、渡された携帯で写真をとる。
黙っているが、たまに振り返ると、十文字はなにか忘れたいかのようにスケッチを続けていた。
なので、そのまま、猫と遊んでいることにする。
休むと、自販機に向かう時にも、一応、いらない、とは言ったけれど、買ってきたなら、受け取るだろう。]
俺は、母親だけだからな。
最終的には帰るつもり。
頼児みたいなでかい夢も、締坂のような綺麗な才能もないけれど、普通に好きなことをして暮らしていくつもり。
十文字も、簡単だ。
やりたいことをすればいい。
(379) 2014/03/26(Wed) 07時半頃