─ 談話室 ─
うちの部は、もう俺だけ。
育成入りの件で、担任と顧問と色々話さなきゃなんなかったから。
[元々、寮住まいは部員の半分ほどしかいなかった。
今から3日前、バッテリーを組んでいたピッチャーが寮を去り、自分が最後のひとりになった。
彼は体育大学に進んで野球を続けるのだと言っていたので、4年後、必ずプロの舞台で会おうと約束した。
一足早く切欠を掴んだ身として、この約束は、けして、違えるわけにはいかない。
こうして、再会を約束できる者もいれば、中にはもう野球をやめてしまうという者もいた。
同じ部の中でもそうなのだ、まして、部もクラスも違うとなれば……]
ん、どした?
[十文字の隣に掛けようとしたタイミングで、彼が何かを見つけたような素振りを見せたので、座るのを遅らせ、手元の行方を目で追いかける。]
(370) 2014/03/22(Sat) 16時半頃