─Intermission─
[自分が今こうして息をして心臓が動いていることが、生きていられることが、当たり前ではないと知っている。
命が助かっていること自体が奇跡だったと知っている。
この呼吸を、この鼓動を、繋げるために頑張ってくれたひとがたくさんいて、そしてそれでも助からなかった命もあると知っている。
愛している。愛されている。
それが世界をこんなにもうつくしくさせる。
ひとつの花。ひとつの流星。ひとつの夜明け。ひとつの歌。
生まれては消えるもの。そうして途絶えないもの。くり返し続いてゆく日常の中で埋もれてゆきそうに、忘れられそうに、存在を主張しないものたち。
ああ、と思い起こす。そういえば少女が神隠しに遇う有名なアニメ映画の主題歌にあったな。花も風も街もみんなおなじだと。
─────あの日。高校の退寮日。10年も前だけれど]
(316) souka 2014/04/07(Mon) 22時半頃