― 夜明け・自室 ―
[あれから救護室で少し眠った後、知恵熱はすっかりと下がった模様。
始末しないで眠ってしまったアレコレはまぁ置いておき、
二人で風呂に入れるくらいまで回復した音と元の部屋に戻った。
未明、なんとなく目が覚めて、むくりと身体を起こす。
隣に音の姿があったなら、ほっとした笑みを浮かべて髪に触れた。
窓の外を見ると、丁度空が白み始める頃でぼんやりとその変化を眺める。
星空が光に追いやられ、地上にいる自分はどんどんと姿を見失っていく。
寂しいような気持ちになるけれど、傍らからの寝息に引き戻され、そちらに意識が向いた。
――今はこちらが現実。
ふふ、と笑ってもう一度窓の外を見ると、前方の水平線にぽつぽつと影が見え始めた。]
かなで!!! かなで!! しま!!南の!島!!!
[寝ている音の上に跨り、掛けていたブランケットを引っペがした。*]
(314) ぶんちゃん 2014/06/20(Fri) 22時半頃