―クリスマス―
[あかりから話を聞き、立季を探しても見つからず、時間ばかりが過ぎ去っていった。
(結局、満月を待つしかないんかなぁ…)
そんなことを思いつつ、ケーキの入った箱と、チキンやドリンクの入った袋を片手に北部へと足を運ぶ。目指す場所は翔子の家だ。
彼女の家へ着いたなら、クラッカーを取り出してインターフォンを鳴らす。
翔子が扉を開けた瞬間、クラッカーを鳴らした。軽い破裂音と、色とりどりのテープが飛び出す。]
メリークリスマス、翔子ちゃん!チキンとケーキ買ってきちゃった。一緒に食べよ?
[他にも誰か、共に居ただろうか?
さして深刻ではないほのぼのとした空気の中、食事も終わる頃合に巡理は翔子の隣で紅茶を飲みながら呟く。]
なんかこうしとると、シャドウのこととか嘘みたいじゃねぇ。
意識不明の人も増えとるのにね。
…立季くんは、普通にしゃべってたなぁ。
シャドウが人に成り代わろうとして、うまく成れんかったんが意識不明になるんかな?人がおらんよぉなるのも、シャドウのせいなら。止めんと、ダメよね。話し合いでなんとか出来るなら、話したいのになぁ。
[ぽつり、ぽつりと話した言葉は彼女にどう届いただろうか。*]
(297) 2015/02/19(Thu) 18時半頃