[彼にとって>>252彼女の顔は見慣れないものだ。いや、それだけではない。背中にあたるふわふわとしたクッションの感触も覚えがないものだし、更に他の足音も聞こえる。つまり、この場には複数人いるということだ。
それ自体が、本来の彼の部屋では有り得ない。
何故、ここにいるのだろう。彼自身にそれに対する答えは見つけられない。廊下に出る前からの記憶が、少し曖昧だ。]
………び、っくり?
[何に、びっくりしたのだろう。
彼は自分が廊下に倒れていたことを覚えてはいない。ただ、瞬きをする瞼の裏に、窓の外にあった墓地の光景がやけに鮮明に思い出されて。ほんの僅か、眉を寄せる。
起き上がるなと告げられたから、ソファーの座面に背は預けたまま、じっと観察する目を立花に向けて。]
……………………?
[ご飯が美味しい。その事実と今の状況がどう繋がるのかが分からない。無言。]
(257) 2013/09/04(Wed) 23時頃