じゃぁ、出世払いで、……
あっ、俺のほうが出世してたら、その時の俺に見合ったもの頂戴
[俺車欲しい、と、突拍子もない事を述べながら、桜の下で甘味に舌鼓。
次第にペースは緩むけれど、なんとか笑顔は絶やさないでいられた。]
……まぁ、……旅立てるだけでもよかったのかもしれないな、
ほら、研究職だから、……なんかやたら狭き門だった、うん
……合格できただけよしだ、満足してくれよ、『きみ』!
[そう言って、これ以上齧ることのできなくなったくらいに小さくなった、桜餅の一欠片を口に放り込む。
両の手を伸ばしながら、背から地面にダイブする。
圧された尻が相変わらず痛いが、何とか声を出さずに済んだ。]
………、
[僅かピントの合わない距離で、わいわいとやっている幾つかの人影。
明日が来れば、彼らの中に自分はいない。
現実味が、ない。]
(252) 2014/03/26(Wed) 00時頃