[エフェドラがメルヘンに入団したきっかけは、多くの団員とは少し異質なものかもしれない。
もうずいぶん昔のこと。
ヨアヒムが主導となって、人とは扱われない、あの見世物小屋からひきとられた。
彼の真意は知らないが、裏では見返りが、古巣へ移っていたのは知っている]
団長。あたしのこと、買ってくれてありがと。
[これが、聞きたい声>>230より、伝えたかった言葉。
金で買われ、さげすまされるバケモノから、こうして人形までは昇華できた女。
その恩義にこたえるためなら、血を流すことにためらいはない。
そして――――。
聞こえぬよう、ぶつぶつ呟きながら。仮に、と、頭をよぎる。
持ち主の仇を討つ人形。
その存在がメルヘンの世界で許されないものならば。
いつ、なんどき『壊された』としても、それは本望だとさえ思った**]
(240) 2014/10/11(Sat) 17時頃