人狼議事

64 さよならのひとつまえ


【人】 MNU機関 ジャニス

[>>176店の入口にひとの気配。聞こえる、すいません、の言葉。
客が来たのだと、手元の作業を片しながら返事をする。
春にまだ足の届かないこの季節は、ちょうど花屋が1年でいちばん暇な時期だ。客の対応よりも店内の花の管理や整備などに充てる時間の方が長くなる。
接客がきらいな訳ではないけれど、花に手を入れる作業のほうがやはり好きだった。
その手を止めて、立ち上がる。店先へと振り返る。
一瞬の逆光。目を眇める。自分よりも高いだろう男のシルエット。
花を選んでもらえますか、との言葉に頷きながら足を進めて。

顔が見える。足が止まる。
続けられる言葉に呆然と男を見遣り。
くちを開く。けれど言葉は出ずに閉じる。
息を、吐いて。

あの頃と同じ表情で、口の端を吊り上げてにやりと笑う]

(236) souka 2014/04/07(Mon) 00時半頃

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