─10年後─
[ぱしゃりと軽い電子音。ベランダに置いたサボテンの写メを撮る。
退寮時に持って来た瀕死のサボテンは、実家に戻って家族から手入れの仕方などを細かく教えてもらったおかげで、何とか枯れることなく生き抜いてくれた。さすが現役花屋のアドヴァイス。
ただ、最初の数年は弱らせすぎたせいか花が咲く気配はなく。
ようやく白く可憐な花が開いたのは4年前のことだ。
その年以降、サボテンは毎年ちゃんと花を咲かせている。
今日も今日とてメールを送ろうとスマートフォンを操作しながら。店のシャッターを開け、開店準備を進める。
ポストに届いた>>199一通の手紙。
ダイレクトメールなどに紛れて手にしたそれの宛先は自分。裏返せば見覚えのある名前。開く。文面に目を通す>>*59>>*60。
最後の砕けきった一行にくすりと笑って、その手紙を懐に仕舞い込む。
そんな風に、懐かしい内容の手紙に気持ち心を浮きだたせながら。
いつも通りに店を開いて、いつも通りに時間が過ぎる。
────────はずだった]
(235) souka 2014/04/07(Mon) 00時半頃