[>>224軽快なシンバル。環のベースが入るから本来の歌よりもずっと大人っぽく、ロックに感じる。利一に笑いかけて、口を開いた。
─────歌は問う。何がお前のしあわせなのかと。
何をすればお前はよろこぶのかと。
分からないまま終わるのがいやだから、俺はお前と夜明けを見にゆく。
ヒーローとは。
怪獣と闘って地球を守ったりする見知らぬ誰かではなく。
恋に苦しむものの背中を押したり、
寂しいと感じている誰かの心に寄り添ったり、
真摯な恋を貶す相手を殴るほど怒ってくれたり、
皆で楽しいと思いながら過ごせる時間を提供してくれたり、
そういう繊細な優しさを携えるもののことを言うのだろう。
朔太郎。お前のことだよ。
時間は早くに過ぎ去るだろう。星だって消えるだろう。
取り戻せないものはこれからも幾らだって積もってゆく。
─────だから君は行くんだ、ほほえんで]
(225) 2014/04/02(Wed) 00時頃