あ、いや……
[>>212利政の声は聞こえている。
俺は朔太郎に切ってもらうほどの長さがないだとか、そういう相槌も心の中では浮かぶのに、何故かくちから出なかった。詰まった喉を抑えるように口元に手を当てて。
視線はゴミ捨て場へと。今捨てた自分の荷物へと。
─────全部、棄てていくんだろ、何もかも。
枯れて咲かないサボテンをそこに捨てたように]
さみ し くは……だ、仕方ねぇだろ
[>>214覗き込まれる視線を避けるように、顔を背けた]
ばーか、寂しく思わねぇ奴なんかいねーだろがよ
卒業まで一緒だったクラスメイトだぞ
退寮ってだけでも結構寂しいのに、海外って、さ……
[出来るだけ普通の声音で紡いでいた言葉はしかし、途中で勢いを失くして途切れて、むしろ自分が困った。手は所在無げに髪を弄る]
……俺じゃなくて、お前は寂しくないのかよ
(221) 2014/03/22(Sat) 00時半頃