―ある日の放課後・図書館―
[花咲巡理が図書館へと足を運ぶ頻度は極端に少ない。本を読むより身体を動かす方が性にあっているのもあるが、静寂と知性が支配する空間が、あまり好きではなかった。
それでも学校の課題やテスト勉強で利用することはあり、貸出カードは流石に所持していた。カウンターで仕事を行う真弓の姿>>202に、わずかに安堵する。
仕事中に話しかける事は彼女にとって良いことではないだろう。特に借りたいものも無い。
が、ふと気が向いて占いのコーナーを探す。
適当に一冊、タロットの本を棚から取って、カウンターへと歩く。真弓に本を差し出しながら、微笑んだ。]
真弓さん、こんにちは。
貸し出しお願いします。
……あの、真弓さん。
年越しの時、どこにいました?
[聞きたいことはそれだけだ。頭が良さそうな彼女と、索敵能力のある彼女のペルソナなら、あの夜危機にうまく対応していたのではないかと、巡理は思う。
たった一つだけの質問を終えれば、貸し出し手続きを終えた本を持って、頭を下げて礼を口にし、立ち去るだろう。]
(212) 2015/02/21(Sat) 18時頃