[>>203ジャニスの声が呟く単語に、>>199立花の笑みを見ていた目を伏せて、横に逸らす。ぱちりと瞬きをする瞼に映り込むのは、不愉快そうに眉を寄せる母親の顔だった。
廊下で聞いた声と、窓の外に見えた墓と、母親の姿が重なる。もう、手を伸ばしたくても伸ばせない。だから。]
……………ん。
あの、 食器、 お願い。
[短い了承の一音の後、立花に一言残すのは、来ては危ないかも知れない、と告げる代わり。そう頼んでおけば、追いかけてはこないだろうことを期待してのこと。勿論、拙い言葉でそこまでの意思を伝え切れるわけもないのだが。
>>205触れた立花の指先から伝わる温もり。驚きに目を見開く瞬間に、瞼の裏にあった残像が消えた気がした。]
…………いって、きます。
[首から上が熱くなるのを誤魔化しきれないまま、ぽつりと一言。
比較的速やかに三角座りを解いて、ぺたぺたと素足でジャニスの後を追いかける。運動に縁のない生活をしている都合上、颯爽と後に付き従うだとか追い抜くだとか、そういうことは出来なかった。]
(207) 2013/09/06(Fri) 01時頃