知ってるさ。普通じゃないもんね。こんなの。
[同じ女でも、スーザンとは全く違う。
骨と皮だけの人形。骨と皮だけの……バケモノ。
鏡に映るメイクも落としたその顔から眼をそらし、ぼそり、と小さく呟いた。
ジャニスは「好きだ」と言ってくれた>>142。
もしかしたら、魔法じみた>>92ものも身につけられたのかもしれない。
ただ、メルヘンとは程遠い、そんな人形が仕上がっていった源泉を知っても、「好き」や「魔法」の言葉は生まれてくるものなのだろうか]
はらへりのすたるじー……大っ嫌い。
[お腹がすくと、思い出す。
先天的・後天的に『常とは異なる』見た目をもった、『普通の人間』たちがあつめられた見世物小屋。
足が3本あるわけでもない、体中が毛に覆われていたわけでもない。
下手に五体が『普通』であったため、食事もろくに与えられなかった少女時代。
『バケモノ』のままでいさせるために。『物』のようにさげすまれ。
そんな苦痛に耐えるため……生き延びるために身に付けた技術。
それが、心を殺し、刺激から反応を閉ざし、無言でただ立ちすくむ『人形』だったのだから]
(189) 2014/10/13(Mon) 16時半頃