――テントの集落から少し外れて――
[目が覚めた時、エフぇドラと同じように眠っていた子犬はまだ、夢の中を彷徨っていた。
だから、名前のないプードルはそのままにして。
予備の服に着替えると、少年の装いで外へ出た。
眠りは、短かったような、長かったような。
だから時間の感覚もあいまいなまま。
一晩中着たままでくたびれつつある舞台衣装を、ジリヤのもとへ持っていこうとも思ったけれど。
今はそれより、優先したかったことがある]
へーい。サイモン。調子どう?
[目的の人物に巡り合えたのは、ブローリンの忠告を無視した、人気のまばらな集落の果て。
呼ばれた声>>149に反応し、「すんげー、会いたかったー」と言葉をつなぐ。
そして、彼が何かを話し出す前に、さっそうと、切り出した]
あんさ。昨日のお願い、覚えてるー?
あれ、もういいや。
でも悲しきかな、女の移り気は早いものでしてぇ。
代わりに別のこと…………頼んじゃっていーかなー?
(175) 2014/10/15(Wed) 20時半頃