傷心の乙女を慰めるには、頼り甲斐のある姉御肌が適任でしょう。
[入れ換わり際、少し意外そうにする新居にそう呟いて。
ようやくテーブルの席につくと、カップの中でやや冷めかけた自分の紅茶に手を伸ばし]
……おや、初見先生。
[管理人から誘われたという初見に、テーブルから小さく会釈。コゼーを被せたポットの紅茶はまだ温かいはずだ。少し濃く出ているかもしれないが]
まだ、足りるはず。
[初見に茶を入れて勧めつつ、問題となるのはゼリーの方。
管理人、立花、宝生、福原、新居、越智、初見、自分、そして「取り置き」の分で、ゼリーは売り切れる計算だ。
もし他に誰か来たら、と思うと、ゼリーに伸びる手が止まった。
何故か目を両手で覆っていたらしい立花が、気づかわしげに越智の方へと寄る。またひとり適任の慰め役が表れたことに安堵しつつ。
先ほどの目をぐるぐる回した立花の表情を思い出すと、つい、己の口許を手で覆った**]
(165) 2013/09/01(Sun) 22時半頃