─今朝・寮母室─
[>>86那由多が書類を受け取るのを、一歩引いたところから眺めて。
彼がそのまま自室へと戻るならその背を見送り、自分は残る。
ライラを見つめて。昨日の夜に、那由多によって冷やされ幾らか目立たなくなった右頬を所在無げに擦る。多分、別に、言わなくてもいい言葉だ。伝えなくてもいいことだ。けれど]
…………すんませんした
[心配をかけてごめんなさい。心の中だけで続ける。
喧嘩の多かった自分は何度もこの寮母の手を焼かせている。最上級生になってから絡まれる回数は減り、比例して喧嘩も少なくなったけれど、今回のことが示すようにゼロでもない。
卒業してからも、退寮するまでに、大人しくできないことを謝って。
自分はそのまま校庭へと向かう。
>>113頼児本人がまだ消してないだろう校庭のあの文字を消すために]
(163) 2014/03/30(Sun) 02時頃