―図書館>>51―
ふうん、君は世界と自分を切り離すために本を読むのかな。
僕は少し違うな。世界を知ることで自分について考えるために本を読んでいるんだと思う。
人間というものは面白いよ…そのくだらなさ故にかえって面白い。
僕がこうして好き好んで高屋敷真弓の真似を今でもしているのも、彼らの反応が逐一面白いからかもしれないね。
まあ、でも僕もそろそろ全く自由にさせてもらいたいもんだし。
……君を見て花河あかりがどんな顔をするか興味はあるけれど、まあ……僕も僕なりにやらせてもらうさ。次はね。
[そう言って雛宮を見送り、仕事に戻った。2月にはバレンタインとかで、職場でチョコレートがロンダリングされていた。真弓は、この習慣は人間のやる事の中でもとりわけくだらないものだな、と思いながら付き合っていた。
満月の夜は、それからしばらくして訪れた。]
(140) 2015/02/23(Mon) 21時半頃