[ふわふわと生温い風が頬を擽る。
顔色は変えぬようにしているが、どうもいろいろな自覚が欠けているらしいこの騒霊は、遠慮なくこちらに話しかけてくる>>@4]
「取り置き」と書いて冷蔵庫に入れておきましょう。
[目は合わせぬまま呟くように答える。
他の住人に不思議がられても、笑顔ではぐらかすだけで。
頬へと触れそうな手を引っ込めると、何故か泳ぐ立花の目>>77。
微かに眉下げて微笑んで、残念、と。口の形だけ、立花にだけわかる形で呟いた。
ティーカップを配るうちに、宝生はメールの返事を終えたらしい。
その顔に浮かぶのはいつもと同じ、掴みどころのない真顔]
ええ。ですので無理に手袋を引き剥がそうとはしないことです。
[言いながら、ちろりと見るのは管理人の顔。牽制はそちらへも。
正確にいえば宝生が思い浮かべただろう「潔癖症」と自分の「潔癖症」は質がまるで異なるのだが、それは本業を明かせていない相手に説明できるものでもなく]
(113) 2013/09/01(Sun) 20時頃