[硬さを主張し始めた尖りを解放し、遇えてかつての想い人の事を尋ねながら。
シメオンの身体をシーツに寝かせ、見下ろした。
身体を浮かし、体温を遠退けて。
手を伸ばせば腕の内に手に入ったものを引きはがす。
そのまま片足を持ち上げてふくらはぎから攫おうか。
膝頭と脛へと順繰りに唇を落とし、脚の爪先へとキスを贈る。
親指の先端から上下の前歯で挟み、根本までをくわえ込む。
胸先を愛でていた時のようにしゃぶっては、足指の合間までを丁寧に舐め。湿度に余す所が無くなれば、次は足の人差し指へと移ろぎ。五指が終われば、逆側も同じように口腔で包もう。
時折甘やかな息で湿った指や、足甲を擽り。
元恋人がどのような性嗜好だったかは知らぬ所だが、答えがあれば、それに遠い行為をするつもりだ。
同じ想いをすればかの相手を忘れるのも遠くなり、今の時間が無意味になる。
他の男に愛でられている、という感覚を忘れさせるつもりは毛頭無し**]
(111) 2014/06/09(Mon) 13時頃