――――ご、めん。
[この声はもう、届かない。
ザックにも、きっと、勝手な期待と思いを込めて、同時に告げた、相手にも。
疲弊しきった思いたい体で、そのまま走って外へ出る]
ごめん……なさい。ジャニス、ごめんなさい。
[裏方として、華形を思い続けてきてくれていた、彼の優しさを思い出す。
でも、仮に彼がそう思ってくれていたとしても、それは、『無理』だとエフェドラは思う。
あの惨劇の場を見て、確信した。
これはもう、単純に『殺してやる』とか、『刺し違える』とか、そんなレベルの相手じゃない。
人形一体の命なんかじゃ、きっと、全く足りやしない]
それでも、やるの。許して――――。
[人形が泣くなんて知ったら、フィリップはどんな感想を抱くのだろう。
団長亡き後、耐え続けていた滴を1つだけ残し、走り去った*]
(94) 2014/10/14(Tue) 23時頃