――夜が明け/倉庫――
[あえて大テントに立ち返り、この場所に至ったのは。
単純に、残された追跡の場所が、ここしかなかったからかもしれない。
冷え込む季節>>0:148にさらされ続けたせいか、体は感覚を失い、もはや痛みも苦痛も感じはしない。
かわり得た、一晩中闇に慣らした目は、暗がりの中>>59でも実像を描く。
彷徨い、彷徨い、辿り着き。
そして至った、惨劇の、場>>62。
赤く彩られたその場所に残る、『物語』を終えたアクター達の姿をとらえる。
疲弊し、思考もままならない頭の中で、目の当たりにした現実をとらえる。
ムスタング。フリップ。
ルリ。そして……ジャニス。
体の内側を無残なまでに散らされて>>15までいるのに、それが彼らだと判別できるような状態にしておくだなんて。
まったく。誰の演出だ。
まるで……人の意志を持ったような獣>>2:253]
(65) 2014/10/14(Tue) 20時頃